連日報道されている「新型コロナウイルス」ですが、市販されている普通のマスクを装着すれば、この新型肺炎を予防できるのでしょうか?
そして、穏やかな生活をキープできるのでしょうか?
今回の「新型コロナウイルス」は、人から人へと感染するだけではなく、症状が出ていない潜伏期でも感染し、しかも感染力が強いという強烈で困ったウイルスなのです。
結論から言います。
残念ながら、市販されている普通のマスクでは、「コロナウイルス」から身を守ることはできません。
「できませんって言われても・・・、じゃあ、どうすればいいの?」
というわけで、今回は「新型コロナウイルス」について、マスクと予防のお話です。
普通のマスクでコロナウイルスを予防できない理由
市販の普通マスクはスルリと通過
市販されている普通のマスクで予防できない理由は、「新型コロナウイルス」の大きさにあります。
「新型コロナウイルス」の直径が小さすぎて、マスクをスルリと通過してしまうのです。
市販されている普通のマスクは、約3マイクロメートルの大きさの細菌やウイルスを95%以上濾過するという効果があるのですが、「新型コロナウイルス」の大きさは約0.1マイクロメートルなのでスルリと通過してしまうのです。
ちなみに、1マイクロメートルは1000分の1ミリメートルです。
「N95」マスクでも防げない
「N95」マスクというのは、米国労働安全衛生研究所(NIOSH)の規格に合格した、粉じんやウイルスの吸入を防ぐマスクの名称です。
直径0・3マイクロメートルの粒子(杉花粉の数百分の1)を95%以上除去する力があるということで、「95」という数字が付けられています。
しかし、「新型コロナウイルス」の大きさは約0.1マイクロメートルなので通過してしまいます。
しかし、実はマスクをした方が良い!
たしかに、新型コロナウイルスは小さいからマスクは無意味なのですが、それはあくまで「空気感染」の場合です。
感染経路は、現在調査中ですが、患者と濃厚に接触することによる「飛沫感染」、ウイルスに汚染された環境にふれることによる「接触感染」の能力を持っているが「空気感染」の能力は持っていない可能性が高いと考えられています。
実は、この「飛沫感染」にマスクが有効なのです!
ところで、「飛沫感染」と「空気感染」の違いは何でしょうか?
「飛沫感染」とはどのような感染?
咳やくしゃみをすると、口から細かい水滴が飛び散りますが、この細かい水滴を「飛沫(ひまつ)」と言います。「飛沫」=「湿った状態のウイルス」と言えます。
「飛沫」は水分を含んでおり、大きさも約5マイクロメートルです。
これを吸い込むことで感染するのが「飛沫感染」です。
もう、おわかりと思いますが、「湿った状態のウイルス」は大きいので、マスクを通過できないのです!
だから、「飛沫感染」を防ぐには、マスクをした方が良いということになります。
「空気感染」とはどのような感染?
「空気感染」は飛沫の水分が蒸発した小さな粒子(飛沫核)を吸いこむことで感染します。「飛沫核」=「乾いた状態のウイルス」と言えます。
飛沫は水分を含んでいるため重いので、すぐに地面に落ちてしまいますが、飛沫核は水分が無く軽いので、長時間にわたって空気中を浮遊します。
マスクをしても防げませんので、かなり高度な対応が必要になります。
しかしながら、今回の「新型コロナウイルス」は「空気感染」の能力は持っていない可能性が高いと考えられていますので、それほど神経質になることはないのかもしれません。
とは言うものの、念には念ですね!
考えられる予防対策はやるべきだと思います。
「接触感染」を激減できる!
マスクをすれば、うっかり汚い手で口や鼻を触ることを防ぐことができます。
「最大の感染源は自分の手!」と言われています。「接触感染」は汚染物に触れた他人が、その手で自分の口や鼻を触って起きますので、マスクと手洗い、うがいは基本的な対策といえます。
マスクの正しい着け方と外し方
マスクの正しい着け方
■マスクの外側と内側
使用前のマスクを見ますと、1枚ずつ包装されている場合は上の写真のようにゴムひもが内側の方にセットされていますので、使用前に確認すれば大丈夫です。
基本的には、ひだ(プリーツ)が突き出ている方が外側になります。
ネットで、「マスクは、ゴムひもを付けてある方が外側」という記事をよく見かけますが、メーカーによって違いますので注意して下さい。
■マスクの上側と下側
ワイヤが入っている方が上側です。
■正しい着け方
ワイヤを上側に、プリーツ(ひだ)は下向きにします。
プリーツ(ひだ)を上下に伸ばし、マスクを完全に広げます。
顔にあて、上の部分のワイヤを鼻の形に合わせます。
鼻と口をしっかりマスクで覆い、耳にゴムひもをかけます。
マスクの正しい外し方
マスクからの感染を防ぐために、マスクを外すときはマスクの表面には触らずに、ゴムひもを持って外します。
外したマスクは、たたまずにそのままゴミ箱に捨てます。
最後に、必ず手をきれいに洗います。
マスクの交換ですが、外すたびに新しいマスクに交換するのが理想的ですが、現実的ではありません。
厚生労働省の「新型インフルエンザ流行時の日常生活におけるマスク使用の考え方」によれば、マスクは原則使い捨てであり、1日1枚程度の使用とされています。
日をまたいでの使用はよくないので、最低でも1日1枚ですね。
マスクと手洗い、そしてウガイ
新型コロナウイルスの流行に備え、今できることをまとめました。
1/マスクを正しく着けて「飛沫感染」を防ぐ。
2/うがいをして、のどに付いたウイルスを洗い流し、「空気感染」を防ぐ。
3/適度に水分を取り、ウイルスを胃液で消滅させることで、「空気感染」を防ぐ。
4/手洗いをしっかりすることで、「接触感染」を防ぐ。
5/免疫力が低下しないように十分な休息と睡眠をとる。
以上、あたりまえの予防法ですが、人混みや医療機関に行く時は、特に「マスク」を着用し、こまめな「手洗い」と「うがい」を実践しましょう。
※この記事に掲載されている情報については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。