【金沢の寺島蔵人邸(てらしまくらんどてい)】石川県の紅葉情報2020

寺島蔵人邸(てらしまくらんどてい)の紅葉情景
写真提供:金沢市 「寺島蔵人邸」

ネットで「金沢」「武家屋敷跡」をキーワードにして検索しますと、「長町武家屋敷跡」「野村家」が検索結果の上位を独占します。

観光客の方から、「武家屋敷跡はどこですか?」とか、「武家屋敷跡に行きたいのですが」とたずねられると、金沢市民のほとんどが、「武家屋敷跡なら長町です」と答えてしまいますので、検索結果は当然の結果といえます。

まあ、「北陸新幹線」開通の前から、マスコミをはじめ、金沢市民の先入観というか、固定的な観念として、「武家屋敷跡=長町」が刻印されていましたので、何の疑問もなく、そのようなイメージが定着していました。

しかしながら、ネットで誰でも簡単に情報収集できる時代になったことや、「北陸新幹線」が完成し国内外から金沢に来られる観光客が急増したことにより、江戸時代(加賀藩の藩政期)に大名や武家が作った日本庭園が今まで以上に脚光を浴びています。

大名の日本庭園としては、金沢の代名詞である「兼六園(けんろくえん)」や園内にある「成巽閣(せいそんかく)」の庭園、金沢城公園にあり北陸新幹線の開通にあわせて開園した「玉泉院丸庭園(ぎょくせんいんまるていえん)」があります。

また、1万石以上の領主を「大名」と言いますが、加賀藩の重臣である「本多家」は5万石です。その「本多家」の「松風閣庭園(しょうふうかくていえん)」は大きな池がある広い庭園で、もはや大名の日本庭園といえるでしょう。

武家屋敷の日本庭園としては、長町武家屋敷跡の「野村家」、幻の様式とされる「玉澗(ぎょくかん) 様式」により作られた「西田家庭園 玉泉園(ぎょくせんえん)」、そしてここ、「寺島蔵人邸(てらしまくらんどてい)」があります。

お手持ちの観光ガイドに記載されているかどうかは別にして、金沢に観光に来られた方は記憶に残る観光スポットですので、お立ち寄りされることをおすすめします。

【寺島蔵人邸の概要】

「寺島蔵人邸(てらしまくらんどてい)」は加賀藩の中級武士であった「寺島蔵人(てらしまくらんど)」の武家屋敷跡で、1974年(昭和49年)に「金沢市指定文化財史跡」となりました。

1994年(平成6年)には、「寺島蔵人」自筆の書画、遺愛品のほか寺島家ゆかりの品々が「金沢市指定文化財歴史資料」になっています。

「寺島蔵人邸」は一般公開されており、藩政改革に注力しただけではなく、画人としても活躍した「寺島蔵人」の書画をはじめ、寺島家伝来の書画工芸を展示しています。

「寺島蔵人」は「艮嶴(こんおう)」、「静斎」、「王梁元」、「応養」などの画号(簡単に言うとペンネーム)を持ち、山水図や竹石図、花鳥図など数多くの作品を残しています。

また、江戸後期の金沢での「寺島蔵人」の生活ぶりがうかがえる武具や日用品、画材などがのこされています。

「寺島蔵人邸」は「金沢城大手門跡」から「ひがし茶屋街」にむかう中間点の場所である大手町に位置し、百万石通りから一本中に入った細い道沿いにあります。周辺は閑静な住宅街になっています。江戸時代のこの町は、「寺島蔵人邸」と同じような規模の武家屋敷が並ぶ中級武士の居住地区でした。

「寺島蔵人邸」の建築年代は18世紀後半の中頃と推測でき、現在、1,179.53平方メートルの敷地内に家屋、土蔵、土塀、および庭園があります。

お茶をいただけますので、抹茶を味わいながら庭園の紅葉も味わうという贅沢で穏やかな大人の時間を楽しむことができます。

なお、入場料がかかることから、催しがない限り、ゴチャゴチャ混雑することはありませんので、静かでのんびりできるいわば穴場の観光スポットになっており、秋のデートにおすすめのスポットの一つにもなっています。

【寺島蔵人邸の庭園と紅葉】

寺島蔵人邸(てらしまくらんどてい)の紅葉情景
写真提供:金沢市 「寺島蔵人邸」

「寺島蔵人邸」は石川県金沢市にある穴場的な人気のある紅葉スポットです。

「寺島蔵人邸」の紅葉は例年10月下旬から11月下旬が見頃です。

「寺島蔵人邸」の北側と東側には「池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)」の美しい庭園が広がっており、四季折々の美しい姿を見ることができます。

庭園の池は水がない枯れた池で、庭園の名称「乾泉(けんせん)」の由来となっています。庭内に配置された飛石や石橋などは地元の戸室石や滝坂石を用いています。寺島蔵人が造らせたという「三重九輪の塔」は青戸室石で作られています。

庭園には、ドウダンツツジ、ツバキ、サザンカ、ヤマブキ、アオキ、モミジなど、四季それぞれに楽しむことができる、総数200本強の木々が植えられています。

春はドウダンツツジの開花に始まり、初夏は若葉のみずみずしい緑を味わい、秋の紅葉シーズンには燃えるような秋の景色を満喫し、冬の雪景色から金沢らしい白い趣のある情景を楽しむなど、春夏秋冬を通して、趣のある景色が展開されます。

毎年繰り返される庭園の四季の移ろいの中で、特に存在感が大きいのが樹齢300年以上の老木で、高さが3メートル以上もある「満天星躑躅(ドウダンツツジ)」です。春の開花と秋の紅葉は圧巻で写真映えします。

「ドウダンツツジ」をご存じの方は、春の開花と秋の紅葉をイメージできますが、知らない方のために、画像と簡単な蘊蓄(うんちく)を残しておきます。

「ドウダンツツジ」は、春の開花期に真っ白な花が株全体を覆う姿が星空を連想させることから、「満点星(ドウダン)」という文字が当てられました。また、細い枝が左右に分かれて生えている様子が「結び灯台」の脚に似ていることから、「灯台」がなまって「ドウダンツツジ」と呼ばれるようになりました。

「ドウダンツツジ」の花言葉は、「上品」で、俳句では「満天星」が春の季語になっています。

(ドウダンツツジの春の開花期)
ドウダンツツジの花

(ドウダンツツジの秋の紅葉)
ドウダンツツジの紅葉

【寺島蔵人邸のイベント】

春と秋にライトアップされます。紅葉シーズンは、「金沢ナイトミュージアム」として、秋の宵にドウダンツツジがライトアップされます。期間は、令和2年10月24日(土)と25日(日)の二日間です。

これ以外のイベントとしては以下が予定されています。

~四季の庭園・音楽鑑賞会~:「秋の邦楽演奏会」令和2年11月6日(金)

【寺島蔵人邸へのアクセスや料金など】

(入館料金)

一般310円、団体(20名以上)260円。
65歳以上・障害者手帳をお持ちの方およびその介護人200円(祝日無料)。
高校生以下は無料。

(抹茶料)お一人350円。

(開館時間)9時30分から17時まで。(入館は16時30分まで)。

(駐車場)ありません。

(休館日)年末年始の12月29日から1月3日まで。
なお、展示資料整理等のための臨時休館がありますのでお問合せください。

(交通)

金沢駅東口7番のりば 金沢学院大学方面行きバス
「橋場町」下車 徒歩5分

金沢駅東口7番のりば 城下まち金沢周遊バス(右回りルート)
「橋場町(金城樓前)」下車、徒歩5分

金沢駅東口11番のりば 金沢ふらっとバス(此花ルート)
「町民文化館」下車 徒歩7分

※料金は定時・随時の改定や増税等による改定がありますので、公式ホームページにて最新の情報をご確認くださいますようお願い致します。

※この記事に掲載されている画像や情報については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。

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