【フェルメール】「真珠の耳飾りの少女」の魅力

【フェルメール】「真珠の耳飾りの少女」の魅力

 

フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」は以前から気になっていた名画ですが、最近パロディを作ったせいか詳しく知りたいと思っていました。何故か惹きつけられるのです。

ということで、今回の記事はフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」です。

フェルメールって、どんな画家?

フェルメールはバロック期を代表するオランダの画家で、映像のような写実的な手法と綿密な空間構成、そして光による巧みな質感表現を特徴とします。

なお、フェルメール(Vermeer)は通称で、本名はヤン・ファン・デル・メール・ファン・デルフト (Jan van der Meer van Delft)です。

真珠の耳飾りの少女

私はフェルメールと言われても、「真珠の耳飾りの少女」しか知りません。逆に私でさえ知っているということは、よほど有名なのでしょう。

「真珠の耳飾りの少女」はオランダのデン・ハーグのマウリッツハイス美術館が所蔵するフェルメールの代表作の一つです。

「青いターバンの少女」とか「ターバンを巻いた少女」とも呼ばれており、ちょっと口元に笑みがあるように見えることから「北のモナ・リザ」「オランダのモナ・リザ」とも称されています。

◆制作時期

制作時期は、1665年または1666年と言われていますが、絵画自体に日付もなく推測の域を出ません。

◆絵の価値

1881年にハーグで行われたオークションでは、わずか2ギルダー30セント(およそ1万円)で落札されました。当時は絵が汚れていたので、かなりの低評価でした。

落札者には相続人がいなかったので、他の絵画と一緒にマウリッツハイス美術館に寄贈しました。その後、何回か補修が行なわれた結果、フェルメールが描いた時の状況に近いものになりました。

もし、現在取引きされるとすれば、絵の価値は100億円とも150億円とも言われています。

◆モデル

誰をモデルにしたかは非常に興味深いのですが、様々な説があります。たとえば、この少女のモデルはフェルメールの娘マーリアであったとか、フェルメールの妻または恋人、さらに、実はフェルメールの創作にすぎないとか、色々と言われています。

しかし、フェルメールの家族や知人の肖像画は全く残っていませんので、今となっては真相は不明です。

◆ターバン

特に鮮やかな青のターバンが印象に残っているので調べてみました。なんと、この青は西アジア原産の「ラピスラズリ」という宝石から作った非常に高価な絵の具を用いたものらしいです。

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(ラピスラズリ)

 

このターバンが目立つので、「青いターバンの少女」とか「ターバンを巻いた少女」などと呼ばれているのです。

ただし、ターバンは当時のヨーロッパでは一般的ではないので、トルコやアジアなどの異国情緒をかもしだすように描かれたものだろうと考えられています。

小説「真珠の耳飾りの少女」

フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を見たアメリカの作家トレイシー・シュヴァリエが「真珠の耳飾りの少女(Girl with a Pearl Earring)」という小説を書いています。シュヴァリエは編集者から小説家へ転向して第2作としてこの小説を書いたのですが、それが当たり、ベストセラー作家入りしました。

その小説ですが、この絵のモデルとなった少女とフェルメールの関係を描いたもので、少女はフェルメール家の召使という設定になっています。

フィクションですが、何故、作者のシュヴァリエが少女を召使として書きつづったのか、その空想というか推理が面白いです。

一つ目として、フェルメールの絵画が全て静寂なのはアトリエに家族をはじめ誰も入れなかったからであり、唯一入れるとしたら掃除のために入ることを許された召使だということ。二つ目は、絵画に描かれた少女の口が半開きであり、それは当時性的なことを意味していたので、フェルメールの娘ではなく少女は召使であったと推理したのです。

さらに、フェルメールの妻が持っていたもののリストが現在まで残っていて、フェルメールは妻のものを絵画の中に登場させていたことが判っています。少女が身に着けているものは豪華な耳飾りを除いて質素です。ということは、この絵画に登場する耳飾りも衣類も妻のものなのです。

つまり、フェルメールはモデルとして召使の少女を選び、妻のものを身につけさせた。絵画を描くのにかかる長い日数とアトリエという密室により、少女はフェルメールに禁断の恋をしてしまった。

そして、少女を描くフェルメールを見ながら「奥様は私達の関係に気付いているかしら?」と思う。これが、少女の口が半開きであるという謎めいた表情の真相なのだという推理なのです。洞察力というか凄い推理ですね。

映画「真珠の耳飾りの少女」

映画「真珠の耳飾りの少女」は、上記の小説を2003年に映画化したものですが、映画は小説とは結末が少し異なっています。アメリカ・イギリス・ルクセンブルクの合作で、主演のスカーレット・ヨハンソンがゴールデングローブ賞最優秀主演女優賞にノミネートされました。

また、フェルメール作品の色彩や構図など、絵画の世界をそのまま表現した映像美により、第76回アカデミー賞で撮影賞・美術賞・衣裳デザイン賞の3部門にもノミネートされています。

なお、それまでフェルメールの絵は「青いターバンの少女」とか「ターバンを巻いた少女」などと呼ばれていたのですが、この映画のヒットにより「真珠の耳飾りの少女」の名が一般化しました。

ということで、今回はフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」のお話でした。

※この記事に掲載されている情報については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。

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