石川県内で1位の紅葉スポットといえば、やはり「白山白川郷（はくさんしらかわごう）ホワイトロード」ではないでしょうか。
侘（わび）と寂（さび）のような静かな紅葉の趣（おもむき）ではなく、スケールの大きい壮大美麗な感動を味わえる、稀にみる紅葉スポットと言えます。もちろん、毎年紅葉シーズンになるとテレビ各局がその美しさを取り上げます。
私も紅葉シーズンになると、石川県側から「白山白川郷ホワイトロード」をドライブして「白川郷」へ行ったり、「三方岩駐車場」でＵターンして戻って来たりしています。
なお、石川県側にある「中宮展示館」までは無料であり、展示館の駐車場に車を停めて周囲を散策することができます。
展示館の前には、のんびり休める芝生があります。また、展示館前を流れる「蛇谷川」にかかる吊り橋を渡ったり、「蛇谷川」に降りて川原から山々の彩を眺めたりと、色々楽しめますので「穏やかな秋の一日をすごしたい！」という方におすすめの紅葉スポットです。
今年は石川県側が工事のため通行できません。岐阜県のみの折り返しとなります
【白山白川郷ホワイトロードの概要】
画像提供:白山林道石川管理事務所 「白山白川郷ホワイトロードの紅葉と雲海」
富士山、立山と並ぶ日本三名山に数えられ、霊峰として名高い「白山」の北側を抜け、岐阜県の「白川郷」へと通じる「白山白川郷ホワイトロード」は、昭和４２年に着工し、昭和52年8月に供用を開始しました。
石川県白山市尾添から岐阜県白川村鳩ヶ谷まで総延長は33.3kmあり、所要時間は約1時間です。そのうち、有料区間は24.5km、無料区間は8.8kmです。幅員は6.5mで全線2車線の舗装道路になっています。
【供用期間】は6月上旬から11月10日までですが、積雪の状態によって変更されますし、気象状態によって通行止めになるときもありますので、おでかけの計画については必ず事前に確認してください。
【供用時間】は６月から８月までは午前７時〜午後６時（出口閉門午後７時）。９月から１１月までは午前８時〜午後５時（出口閉門午後６時）ですが、9月下旬から10月下旬の「秋のモーニングタイム」期間中については午前7時から料金所に入ることができます。
【利用料金】は軽自動車１，４００円、普通車１，６００円、マイクロバス４，９００円、大型バス１０，８００円です。支払は現金のみで、二輪車、軽車両、歩行者は通行できません。平成２７年から利用料金が半額程度に値下げされ現在の料金になりました。
なお、障害者割引があり、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のいずれかの手帳をお持ちの方が同乗していれば、その車輌について割引利用料の対象となりますので、料金所で手帳をご提示ください。軽自動車が７００円、普通車が８００円になります。
【愛称】につきましては、昭和52年の供用時には、「白山スーパー林道」でしたが、平成２７年度から、「白山白川郷ホワイトロード」に変更されました。変更の理由は、「林道」という名称が「狭い」、「通行しづらい」といったイメージを抱かせることから、愛称を公募し、利用客が親しみを持てる、観光地にふさわしい愛称に決定したそうです。
ただ、旧称の「白山スーパー林道」の時期が長かったので、石川県の中高年の会話ではいまだに、「白山スーパー林道」です。「白山白川郷ホワイトロード」の愛称が定着するには、もう少し時間がかかりそうです。
【見所】は、日本の滝百選にも選ばれている「姥ヶ滝（うばがたき）」や落差８６ｍの「ふくべの大滝」をはじめとする多数の滝や峡谷など白山の雄大な自然を間近で楽しむことができる全国でも有数の山岳観光道路です。道沿いには大小の駐車場が整備されていますので、気軽に駐車して、絶景の紅葉をのんびり楽しむことができます。
【見頃】は標高差がありますので、各スポットにより異なりますが、早いところで標高1,736mの「三方岩岳」が9月下旬頃から山頂が色付きはじめ、10月上旬までが見頃となっています。遅いところでは、標高600mの「中宮展示館」で、11月上旬まで紅葉を楽しむことができます。
【各駐車場と見所】
「白山白川郷ホワイトロード」では、大小の駐車場が整備されていますので、気軽に駐車して、絶景の紅葉をのんびり楽しむことができます。石川県側から順番に見ていきましょう。
駐車場1：中宮レストハウス
■ 駐車台数は、軽・普通52台、大型7台。トイレあり。
石川県側の中宮ゲートから近いレストハウスで、最初に休憩ができる場所です。食堂と売店があり、道の駅同様、リピーターが多い所です。
白山麓の渓流で取れるいわなを使った「いわな寿司」や、朴の葉や笹の葉で巻いてある「きなこおはぎ」、ご飯によく合う「白山のなんばみそ」など、地元の美味しい品々がおすすめです。
駐車場2：石川管理事務所中宮展示館
■ 駐車台数は、軽・普通49台、大型5台。トイレあり。
前述したとおり、石川県側にある「中宮展示館」までは無料です。ここに車を停めて周囲を散策し、穏やかな秋の一日をすごすことができます。
特に「猿ヶ浄土」（中宮展示館背後の山々）が美しいですが、展示館前の芝生や「蛇谷川」にかかる吊り橋、「蛇谷川」の川原など色々楽しめる紅葉スポットです。紅葉は11月上旬まで楽しめます。
ここから駐車場3に行く間に、石川県側から入って最初に見える滝「しりたか滝」と2番目に見える滝「赤石（あかち）の滝」を見ることができます。
駐車場3：岩底谷駐車場
画像提供:白山林道石川管理事務所 「蛇谷大橋の紅葉」
■ 駐車台数は、軽・普通24台、マイクロ1台。
駐車場に滝見台があり，対岸の下方に「岩底（かまそこ）の滝」が見えます。石川県側から入って3番目に見える滝です。
「岩底の滝」の標高は710mで、周辺は、「蛇谷峡谷」のＶ字地形形の谷になっています。紅葉シーズンには、断崖絶壁の峡谷に紅葉が溶け込み見事な眺望です。
名称については、「岩底の滝」の上部に大木をも沈めてしまう底無しといわれている、直径2mの釜型の淵があるところから、この名前が付いています。
ここから駐車場４に行く間に、「蛇谷（じゃだに）大橋」があります。標高730mで、「蛇谷川渓谷」を渡る唯一の橋で、長さが70m、高さが45mあります。
残念ながら駐車場がないので走り抜けるだけとなっていますが、紅葉スポットとしては写真のように、燃えるような秋を満喫できますので、ゆっくり楽しみながらドライブして下さい。紅葉シーズンの眺めは思わず息を飲むような美麗な景色を味わえます。
また、石川県側から入って4番目に見える「かもしか滝」も見えます。滝が5段になって流れ落ちることから「五重の滝」や「五色の滝」とも呼ばれています。
名称については、「ニホンカモシカ」の生息密度が高いので、この名前が付いています。
画像提供:白山林道石川管理事務所 「かもしか滝」
駐車場4：蛇谷（じゃだに）園地駐車場
画像提供:白山林道石川管理事務所 「姥ヶ滝（うばがたき）」
■ 駐車台数は、軽・普通37台、大型3台。
「蛇谷園地駐車場」から階段を降りると「蛇谷園地」があり、ブナやミズナラの林が広がっています。ここから標高800mの「姥ヶ滝（うばがたき）」、「親谷（おやだに）の湯」まで「蛇谷園地遊歩道」が整備されており、清流を眺めながら散策できます。
階段がかなり急ですので、降りるときはいいのですが、帰りのはキツイかもしれません。案内板には、駐車場から露天風呂・姥ヶ滝観瀑台（かんぼうだい）まで往路15分、復路20分となっています。
「姥ヶ滝」は平成２年に｢日本の滝100 選｣の一つに選ばれており、岩肌に沿って落ちる滝の流れを老婆の白髪にみたてて名が付いたといわれています。
「親谷の湯」は「姥ヶ滝」の目の前にあります。露天風呂や足湯は時々メンタンスでお休みしますが、やっていたらラッキーです！「親谷の湯」の露天風呂や足湯に浸かりながら滝を眺めると、時間を忘れそうになるぐらいに秋を楽しめますよ。その時は忘れずタオルを持って行って下さい。
ここから駐車場５に行く間に、「水法（みずのり）」の滝があります。「姥ヶ滝」の向かいにあり男性的な姿であることから、「姥（老女）ヶ滝」のたいしょうてきな滝として「尉（老翁）ヶ滝」とも呼ばれています。
駐車場5：ふくべの大滝駐車場
画像提供:白山林道石川管理事務所 「ふくべの大滝」
■ 駐車台数は、軽・普通10台、マイクロ1台、大型2台。
「ふくべの大滝」（標高900m）は、「白山白川郷ホワイトロード」の数ある滝の中で最も見応えのある滝で、シンボル的な存在になっています。滝の落差は86mで、駐車場のすぐ近くに滝つぼがあり、水量の多い時は滝の水しぶきが道路や観瀑台をおおうこともあります。
林道開設とともに有名になった滝であり、この滝の上にもうひとつ滝がある2段の造りから、瓢箪を意味する「ふくべ」と名づけられました。
断崖絶壁が「蛇谷金襴銀欄」と呼ばれるほど見事で、「白山白川郷ホワイトロード」の紅葉の名所の1つになっており、例年10月中旬から11月上旬にかけてナナカマド、ヤマウルシ、カエデが紅葉します。
紅葉シーズンに駐車場から見上げると、岩肌を豪快に流れ落ちる「ふくべの大滝」の迫力満点かつ動的景色と紅葉の静的景色が創りだす絶景を楽しめます。
駐車場6：国見展望台駐車場
■ 駐車台数は、軽・普通37台。
白山市側の中宮料金所から2番目のヘアピンカーブの駐車場である「国見展望台駐車場」は、白山白川郷ホワイトロード沿いの標高1100m地点にあります。
「国見展望台駐車場」に隣接する「国見展望台」は見晴らしの良い展望台で、白山や山腹を通るホワイトロードを一望することができる紅葉の絶景スポットの1つです。
駐車場7：ふくべ上園地駐車場
■ 駐車台数は、軽・普通32台、マイクロ3台。トイレあり。
ここも素晴らしい紅葉のスポットです。
石川県側から「白山白川郷ホワイトロード」に入った場合、「中宮料金所」から、この「ふくべ上園地駐車場」までトイレがありませんので、「中宮展示館」などで事前に済ましたほうがいいです。紅葉はのんびり、ゆっくり味わいたいですから。
駐車場8：白山展望台駐車場
■ 駐車台数は、軽・普通17台。
「白山展望台駐車場」は「白山展望台（標高1380m）」に隣接し、白山の主峰三山である「御前峰（標高2,702m）」、「大汝峰（標高2,684m）」、「剣ヶ峰（標高2,677m）」がよく見える絶景ポイントです。紅葉の見頃は例年10月上旬〜中旬頃となっています。
「白山展望台駐車場」は名称の通り、白山連峰の壮大な美しさを見ることができるのですが、それに加えて「白山展望台駐車場」の眼下にはブナ原生林の樹海が広がっており、美しい紅葉を楽しむことができます。
駐車場9：栂（とが）の木台駐車場
画像提供:白山林道石川管理事務所 「栂の木台駐車場」
■ 駐車台数は、軽・普通40台、大型4台。トイレあり。
「白山白川郷ホワイトロード」の石川県側の最も標高が高い駐車場が「栂の木台駐車場」で、豊かな原生林が一帯に広がっています。
2018年10月、新たに初心者から中級者向けの登山道が整備されました。「栂の木台駐車場（標高は1400m）」から「三方岩岳（標高1,736m）」までを往復する眺望の良い新トレッキングルートになっています。往復で3時間ほどです。
「とにかく絶景を見てみたい！」という方は、スニーカーで気軽に登れますので、他ではなかなか見れない絶景を楽しんでみてはいかがですか
駐車場から20分ほど歩けば「ふくべ谷上園地展望台」があります。「白山」や「三方岩岳」はもちろん、晴れた日には北アルプス」もはっきりと眺望することができます。展望台の先の「三方岩岳」までのルートは、赤と黄色に染まる美しい紅葉トンネルをくぐり抜けて進みます。紅葉シーズンの絶景スポットとして楽しめます。
画像提供:白山林道石川管理事務所 「ふくべ谷上園地展望台の景色」
駐車場10：三方岩（さんぽういわ）駐車場
画像提供:白山林道石川管理事務所 「三方岩駐車場」
■ 駐車台数は、軽・普通51台、マイクロ6台、大型5台。トイレあり。
「三方岩駐車場（標高1,450m）」は県境付近の岐阜県側にあり、「白山白川郷ホワイトロード」では最高地点に位置します。
「白山白川郷ホワイトロード」では、一番早く紅葉が見頃を迎える場所で、例年9月下旬ごろから10月上旬が紅葉の見頃となっています。
ここから登山道を通って「三方岩岳山頂」まで往復することができます。所要時間は登りが50分ほど、下りが40分ほどです。晴れた日には北アルプスまで眺めることができます。10月中旬頃は、ブナ、ナラ、ナナカマド、ヤマウルシなどが赤や黄色に色づき、素晴らしい景色を楽しめます。
駐車場11：白川郷展望台駐車場
画像提供:白山林道石川管理事務所 「白川郷展望台駐車場」
■ 駐車台数は、軽・普通69台、マイクロ5台、大型3台。トイレあり。
「白川郷展望台駐車場（標高1,200m）」の紅葉の見頃は例年10月中旬で、背後に広がるブナの紅葉が美しいです。
駐車場内には、ホワイトロードの有料区間内で唯一の食事処である「蓮如（れんにょ）茶屋」があります。その昔、蓮如さんが歩いた道筋にあることからこの名がつきました。土産物も豊富で、食事は「蓮如そば」という名の山菜そばが美味です。
また、「蓮如茶屋」に隣接する「情報ハウス」では、ホワイトロードに関する観光情報を提供しています。各種パンフレットも揃っているので、旅の下調べにも便利です。
駐車場の道路向かいにある「白川郷展望台」と書いてある階段を上っていくと、「白川郷展望台」や樹齢300年ほどの見事なブナの原始林が残された「ブナのこみち」が整備されており、色鮮やかな紅葉を楽しむことができます。「ブナのこみち」は30分ほどで1周できます。
駐車場12：岐阜管理事務所
■ 駐車台数は、軽・普通50台、マイクロ8台、大型5台。トイレあり。
例年10月下旬から11月上旬が紅葉の見頃です。
駐車場13：トヨタ白川郷自然學校
■ 駐車台数は、軽・普通54台、大型2台。トイレあり。
「トヨタ白川郷自然學校」は、「自然・地域との共生」をテーマに2005年4月開校しました。ホテルが付いた自然学校で誰もが遊べて泊まれます。
例年10月下旬から11月上旬が紅葉の見頃です。
【温泉に泊まって片道無料キャンペーン】
ホワイトロードが斜面崩落により通行止めのため、令和2年度は実施しません。
【ホワイトロードについてのお問い合わせ先】
白山林道石川管理事務所 ＴＥＬ０７６－２５６－７３４１
【白山白川郷ホワイトロードへのアクセス】
石川県側は、北陸自動車道小松ICから国道360号を中宮料金所方面へ車で40km。
岐阜県側は、東海北陸自動車道白川郷ICから国道156号を馬狩料金所方面へ車で6km。
※料金は定時・随時の改定や増税等による改定がありますので、公式ホームページにて最新の情報をご確認くださいますようお願い致します。
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