【新型コロナウイルス感染】コロナ用語の基礎知識

【新型コロナウイルス感染】コロナ用語の基礎知識

 

新型コロナウイルス関連の報道などでは、「クラスター」や「オーバーシュート」、「パンデミック」など様々な専門用語や造語が飛び交っています。中には本来とは異なる意味で使われていて、日本に住む外国の方も分からない専門用語もあります。

この記事では新型コロナウイルスに関する専門用語や造語を簡単に説明していきますので、参考にしてください。

アベノマスク

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、安倍晋三首相が布マスクを全世帯に2枚ずつ配る方針を表明したところ、ツイッターなどで「アベノミクス」をもじった「アベノマスク」という言葉が厳しい批判と共に拡散されました。これにより、官邸官僚のアイデアと国民のニーズとの深刻なズレが生じていることが露呈しました。

全世帯に布マスク2枚を配布するとなると、466億円という費用もさながら、1人暮らしの人には2枚もらえるし、3人以上ならもらえない人がでるなど、確実に行き渡るかなど不明な点が多く、施策に対する疑問の声が上がっています。

「アベノマスク」は海外メディアでも取り上げられており、アメリカのブルームバーグ通信は、「アベノミクスからアベノマスクへ マスク配布策が冷笑を買う」と報道。アメリカのフォックスニュースも、「エープリルフールの冗談ではないかと受け止められている」と報道しました。

院内感染

 

院内感染というのは、病院内で体内に接種された新型コロナウイルスによって引き起こされる感染症で、退院してから発症しても病院内での新型コロナウイルス接種に起因する感染症であれば院内感染とされます。

一般に入院して3日目(48時間以上)以降に発病した場合を院内感染とみなしていますが、病原体によって発病までの潜伏期間が異なり、新型コロナウイルスは潜伏期間が2週間といわれています。

エアロゾル感染

エアロゾルは簡単に言いますと「空気中を漂う液体または固体の微粒子」で、霧や煙などもその一種とされています。国立感染症研究所では粒径5マイクロメートル未満をエアロゾルと定義しています。

せきやくしゃみで飛び散る飛沫は5マイクロメートル以上の大きさなので、数メートルしか飛びませんが、5マイクロメートル未満の小さな大きさのエアロゾルは、すぐに地上に落ちることなく空気中を漂うのです。米国の研究グループによると3時間が経過してもウイルスの生存が確認されています。

米国立衛生研究所(NIH)や米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)米疾病対策センター(CDC)などの研究グループが3月17日付で米国の医学専門誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に掲載した論文では、「エアロゾル感染はもっともらしい」としていますが、厚生労働省は新型コロナウイルスについて接触感染、飛沫感染が感染経路であるという見方をしており、「日本ではエアロゾルによる新型コロナウイルス感染の証拠は今のところ出ていない」としています。

ECMO(エクモ)

エクモというのは簡単に言うと人工肺のことです。新型コロナウイルスに感染し人工呼吸器でも助けられない超重症呼吸の患者さんに対して、「血液に酸素を注入する」エクモが使われます。根治療法ではなく、治癒・回復するまで呼吸機能を代替する治療法です。しかし、高額で人手も多くかかるため、多人数の治療はできず患者さんの人数は制限されます。

ちなみに、ECMOは「extracorporeal membrane oxygenation(体外式膜型人工肺)」という機器の略語です

エピセンター

ウイルスの「震源地」という意味です。無症状者やそのなかで免疫のできにくいスプレッダーが持続的に増えていき、そこが「震源地」となって周囲に感染を広げていくということです。「クラスター」が発生する土台が「エピセンター」ということになります。

オーバーシュート

本来、英語のオーバーシュート(overshoot)は「超過する」「行き過ぎる」という意味ですが、現在では、新型コロナウイルスの感染拡大を表現する用語として、「感染者の爆発的増加」という意味で用いられています。

「感染者の爆発的増加」というのは、2~3日で累積感染者数が倍増するようなスピードの感染者数の増加が継続的に続く状態をいいます。

帰国者・接触者相談センター

新型コロナウイルスに感染したと考えられる場合、最初に連絡すべき窓口として各都道府県に設置された相談センターで、次の症状がある方が相談します。

風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続いている。(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。高齢者や基礎疾患等のある方は、上記の状態が2日程度続く場合。

相談した結果、新型コロナウイルス感染の疑いのある場合には、専門の外来を紹介され受診することになります。

休業要請

休業要請は2種類あり、一つは特別措置法24条9項で規定されている罰則のない「協力要請」というお願いです。もう一つは特別措置法45条で規定されている「施設の使用制限や停止の要請」で、要請に応じない場合は「指示」が行われます。指示には罰則はないものの、公権力を背景とした「指示」は、事実上の強制力を持つと考えられます。

緊急事態宣言

国家の存続を揺るがしかねない有事の際に発令される「非常事態宣言」と同じ意味です。現在、日本の法律における文言が原則的に「緊急事態宣言」に統一されているので、「緊急事態宣言」という文言になりました。

「緊急事態宣言」は2020年(令和2年)4月7日17時に出されました。指定地域は、東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡の7都府県で、期間は1か月とされています。強制力はありますが、外国のように都市封鎖(ロックダウン)は行わないことが確認されています。

今までと変わる点は、これまでのようなお願いレベルの「要請」ではなく、施設の使用制限等の指示を行うことができるようになりました。

空気感染

感染様式の種類としては「接触感染」、「飛沫感染」、「空気感染(飛沫核感染)」がありますが、最も感染力の高いのが「空気感染(飛沫核感染)」です。

空気感染というのは、空気中を漂う病原体を吸い込むことによって生じる感染経路のことです。新型コロナウイルスなどの病原体は、感染者の咳やくしゃみの飛沫(シブキのことです)と共に体外に排出されます。普通は水分の重みで飛ぶとすぐに落ちていきます。

しかし、水分が蒸発して空気中を漂うものもあり、空気中を浮遊して感染者から遠い場所にいても感染してしまうタイプの病原体があります。空気感染する感染症として、はしか、水ぼうそう、結核などがあります。

厚生労働省の「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」令和2年4月8日時点版の問5「空気感染は起きているのでしょうか?」という質問に対して、「国内の感染状況を見ても、空気感染は起きていないと考えられるものの、閉鎖空間において近距離で多くの人と会話する等の一定の環境下であれば、咳やくしゃみ等がなくても感染を拡大させるリスクがあります。」という回答が記載されています。

クラスター

本来、クラスター(Cluster)は「群れ、集団、塊」を意味するのですが、新型コロナウイルス関連で使われているクラスターとは、新型コロナウイルスの感染者集団や集団感染を意味します。疫学においては感染者集団を「Disease cluster」と呼んでいます。

COVID-19

COVID-19とは、「CoronaVirus Disease 2019」を略した専門用語のことで、2019年にコロナウイルスにより発生した病気を意味します。COVID-19という名称は2020年2月11日に世界保健機関(WHO)によって正式に決定されました。

雇用調整助成金

雇用調整助成金というのは、経済上の理由によって事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が雇用の維持を図るための休業手当に要した費用を助成する制度です。

4月12日現在、新型コロナウィルス感染症により影響を受ける事業主を支援するため、4月1日~6月30日の緊急対応期間中は、全国で、全ての業種の事業主を対象に、生産指標要件を「3カ月10%以上低下」から「1カ月5%以上低下」へ変更するなど、雇用調整助成金の特例措置を実施しています。詳細は厚生労働省の公式ページや各ハローワーク及び労働局でご確認ください。

コロナ倒産・コロナ破綻

4月12日現在、新型コロナウイルスの影響で全国で企業などの経営破綻が急増しています。
業種別では宿泊業や飲食業を中心として、外出自粛の動きが広がることで来店客が減少した小売業や食品製造業、アパレル販売などの中小企業などにも及んでおり、影響が長引くと中堅企業への広がりも懸念される状況にあります。

コロナ太り

新型コロナウイルス感染症の影響で「コロナ太り」が急増しています。新型コロナウイルス感染防止のために多くの人が外出を自粛しています。1日の歩数が激減して運動不足になればダイエットの成果も期待できませんし、食べるだけで運動をしなければ太るのは当然です。Twitter上でも、「コロナデブ」「コロナ太り」という投稿が3月の半ばごろから増えてきています。

コロナ離婚

新型コロナウイルス禍は夫婦や家族関係にも影響をおよぼしており、新型コロナウイルスがきっかけとなるコロナ離婚というものも出ています。コロナ離婚の原因というか理由は、常に一緒にいること自体がストレス、常に一緒にいることで危機意識の違いなど価値観の違いが浮き彫りになりやすい、育児のストレス増加、売上がさがり金銭面のストレスがたまるなどにより夫婦喧嘩が増加してコロナ離婚につながっているようです。

【新型コロナウイルス感染】コロナ用語の基礎知識

30万円給付

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、生活が困難になった世帯を支援する30万円の現金を給付するという対策です。しかしながら、具体的な申請方法や支給時期など制度の詳細はまだみえず、収入が減った人たちの不安は高まるばかりです。

3密

3密というのは、「密接」「密集」「密閉」のことを言います。厚生労働省と首相官邸が作成したポスターによりますと、3密は、換気の悪い「密閉」空間、多数が集まる「密集」場所、間近で会話や発生をする「密接」場面を指し、これらの条件がそろう場所は「クラスター発生」のリスクが高まるとされています。

具体的な場所として挙げられるのはカラオケやライブハウス、映画館、バー、ナイトクラブやなどがあります。

次亜塩素酸水

厚生労働省によれば殺菌料の一種であり、塩酸又は食塩水を電解することにより得られる次亜塩素酸を主成分とする水溶液と定義されています。日本では平成 14 年 6 月に食品添加物として指定されており、使用基準及び成分規格が定められています。また、公表されているPDFには以下のように記載されています。

微酸性次亜塩素酸水:各種殺菌剤との比較試験(各種微生物についての殺菌効果、食品に対しての殺菌効果)を行ったところ、次亜塩素酸ナトリウム等と同等以上の殺菌効果が得られた。食品中での安定性として、ホウレンソウを微酸性次亜塩素酸水で処理し、使用中の有効塩素濃度の測定を行った結果、有効塩素は検出されず、残留性は低いことが示された。

食品中の栄養成分に及ぼす影響として、微酸性次亜塩素酸水処理によるビタミンC等の含量への影響を検討した結果、水道水処理等の場合と比較して影響を与えなかった。

弱酸性次亜塩素酸水:微生物に対する殺菌効果及び食品に対する殺菌効果を検討すべく試験を行ったところ、殺菌効果があることが示された。食品中の栄養成分に及ぼす影響として、強酸性/弱酸性次亜塩素酸水や水道水での処理によるカットキャベツからの滲出液量について評価したところ、弱酸性域では滲出量も押さえることができ、殺菌効果もあるためカット面を持つ食材の殺菌に適していると考えられた。

次亜塩素酸ナトリウム

新型コロナウイルスに次亜塩素酸ナトリウムが有効であることが話題になっています。新型コロナウイルスの接触感染を防ぐ対策で、感染したと疑われる人が触れたモノの表面消毒には次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)が有効な予防策であると分かっています。

次亜塩素酸ナトリウム液は、塩素系漂白剤等を希釈して作ります。次亜塩素酸ナトリウム液は使い方を間違えると効果がなくなるだけでなく、思わぬ事故につながることがありますので、用途に応じた希釈や使用、保管時の注意事項を守る必要があります。

厚生労働省が公開した「新型コロナウイルスに関するQ&A(令和2年1月31日時点版)」の「問13 疑い患者を取り扱う上での注意点はありますか?」の回答に「手洗いなど一般的な衛生対策を心がけてください。手など皮膚の消毒を行う場合には、消毒用アルコール(70%)を、物の表面の消毒には次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)が有効であることが分かっています。詳しくは国立感染症研究所のHP「新型コロナウイルス(2019-nCoV)」に掲載の関連するガイダンスをご参照ください。」と記載されています。

市中感染

入院前に新型コロナウイルスに感染し発病した場合を市中感染と呼びます。市中感染は、通勤途中や人通りの多い繁華街などでの接触、病原体に汚染されていた食べ物の摂取など、通常の生活の中で起こります。

10万人あたり感染

新型コロナウイルスの感染者数は実数で報道されることが多く、人数が多いほど影響も大きいです。しかし、人口が多い東京と人口の少ない石川県とを比較して東京の感染者数が石川県よりずっと多いといっても、感染リスクを正しく評価したことにはなりません。10万人あたり感染を比較することにより、新型コロナウイルスの感染率と感染速度が鮮明になります。

自粛要請

自粛というのは人から指示されることなく自らの意思で行動や態度を慎むことです。自粛要請はそれをお願いするということですので、「協力要請」と同じく「お願い」です。

新型コロナウイルス

これまでのコロナウイルスは、2002年に中国広東省に端を発したSARS(重症急性呼吸器症候群)、2012年に中東で報告されたMERS(中東呼吸器症候群)がありますが、2019年12月末から中国の湖北省武漢市で発生した原因不明の肺炎は、新型のコロナウイルス(SARS-CoV-2)が原因であることが判明しました。

新型コロナウイルスの宿主動物は2020年4月時点ではまだ分かっていませんが、コウモリの持つコロナウイルスに遺伝子学的に近縁であることが分かっています。

【新型コロナウイルス感染】コロナ用語の基礎知識

接触感染

感染様式の種類としては「接触感染」、「飛沫感染」、「空気感染(飛沫核感染)」がありますが、「接触感染」とは、皮膚や粘膜の直接的な接触や、手、ドアノブ、手すり、便座、スイッチ、ボタン等の表面を介しての接触で病原体が付着することによる感染のことを言います。

ソーシャル・ディスタンス(social distance)

社会学では、特定人物を排除して心理的にも遠ざけ社会的距離を置く意味で使われますが、新型コロナウイルス感染の用語としては、感染拡大を防ぐために意図的に人と人との距離を保つことを意味します。まあ、単に物理的に離れることです。

最近、日本でもスーパーの行列に並んで待つ客が互いに近づきすぎないよう、床に目印のテープを貼ったりしていますね。

日本でのソーシャル・ディスタンスは、両手を広げても触れ合わない距離として、2メートルほどの距離を取ろうと言われています。世界保健機関(WHO)は少なくとも1メートル、オーストラリアでは1.5メートル、米国は約1.8メートル、英国は2メートル、などの目安を示しています。

特別措置法

3月13日に「新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下特措法)」の改正法が成立し、新型コロナウイルス感染症にも適用されることとしました。

特措法の改正法は附則と位置付けられており、施行の日(3月14日)から2年を超えない範囲で政令により定められる日までに限って適用されますので、今後、2年経過するまでに法律改正を行わない限り、延長されません。

改正法のポイントは2点あり、(1) 新型コロナウイルス感染症を、新型インフルエンザ等とみなして特措法を適用する。(2) 国・都道府県・市町村がすでに定めている新型インフルエンザ等対策行動計画は、新型コロナウイルス感染症対策行動計画としても定められたものとみなす。とされました。

濃厚接触

厚生労働省によれば、濃厚接触かどうかを判断する上で重要な要素は二つあり、➀距離の近さと➁時間の長さだとされています。必要な感染予防策をせずに手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(目安として2メートル)で一定時間以上接触があった場合に濃厚接触者と考えられ、感染を拡大させるリスクが高いとされています。

パンデミック

「パンデミック(Pandemic)」は、日本語的には感染爆発などと訳されています。語源はギリシャ語のパンデミアで、パンは「全て」、デミアは「人々」を意味します。

PCR検査

微量の検体を高感度で検出する手法で、Polymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の頭文字をとってPCRと呼ばれています。新型コロナウイルスのDNAを増幅させることによって検出する検査方法であり、顕微鏡では見ることのできない新型コロナウイルスの有無を調べることができますので確実な診断が下せます。

飛沫感染

感染様式の種類としては「接触感染」、「飛沫感染」、「空気感染(飛沫核感染)」があります。「飛沫感染」とは、飛感染症患者の咳やくしゃみの「しぶき(飛沫)」を直接吸い込むことによって生じる感染経路のことです。

不織布(ふしょくふ)マスク

文字通り「織っていない布」で作られたマスクのことです。繊維あるいは糸などを織ったりせず、熱的、機械的、化学的作用により繊維を接着またはからみ合わせた薄いシート状の布のことを不織布といいます。粒子捕集性や通気性に優れることからマスクのフィルタ部に使われています。

無症状感染者

無症状病原体保有者とは、症状はないが、PCR 検査が陽性だった感染者のことをいいます。今までのような風邪やインフルエンザの場合ですと症状が出ている人と接触する場合には慎重になることができますが、今回の新型コロナウイルスでは、症状の出ていない無症状感染者によって感染するケースが急拡大の原因でもあります。

ロックダウン

ロックダウン(lockdown)というのは、新型コロナウイルス用語としては「都市の封鎖」という意味で使われています。外出禁止令などが代表例です。

ご存知のとおり、海外の主要都市ではすでに「ロックダウン」が行われていますが、2020年(令和2年)4月7日17時に出された「緊急事態宣言」について政府は、外国のような都市封鎖(ロックダウン)は行わないと説明しています。

※この記事に掲載されている情報については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。

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