【金沢の極上海老】甘エビより美味しい幻のガスエビ

【金沢の極上海老】甘エビより美味しい幻のガスエビ
写真提供:石川県観光連盟

あなたは、「ガスエビ」をご存じですか?

金沢には、「甘エビ」より美味しい!と食通から評価されている幻のエビがいます。

「ガスエビ」の味は極上で感動的です。

前回、「Go To石川」の記事で加賀料理をご紹介したのですが、あえて記載しなかったのが「ガスエビ」なのです。

理由は、簡単です。幻のエビだからです。

というわけで、今回は石川県を訪れる方々への貴重な情報として「ガスエビ」を記事にしてみました。

どうして、「ガスエビ」は幻のエビなの?

「入手不可能な、幻のエビ!」というほど、幻ではありませんが(笑

「ガスエビ」が幻のエビとか「門外不出のエビ」とか呼ばれるのは、「甘エビ」や他の海老に比べ鮮度が落ちるのが非常に早く、流通させるのが難しかったからです。

また、色が茶色で「甘エビ」に比べて見栄えが悪いことと、昔は値段がかなり安かったから、首都圏には滅多に流通していません。

地元の人でも、「甘エビ」は食べたことがあるけど「ガスエビ」は食べたことがないと言う人は意外と多いです。

まあ、地元の食べ慣れた人というか、食通の人だけに愛される海老となりました。

しかし、1度「ガスエビ」の極上の味を知れば、誰もがファンになること間違いなしです。

「ガスエビ」ってどんなエビ?

【金沢の極上海老】甘エビより美味しい幻のガスエビ
写真提供:石川県観光連盟

石川県や富山県では「ガスエビ」と呼ばれ、新潟県では「ドロエビ」と呼ばれていますが、正式名称は「棘黒雑魚蝦(トゲクロザコエビ)」です。

日本海洋データセンターの分類ツリーによりますと、「トゲクロザコエビ」の分類はホンエビ上目→十脚目→抱卵亜目→コエビ下目→エビジャコ上科→エビジャコ科 →クロザコエビ属だそうです。

確かに、扁平の体形からも、エビというより「シャコ」という感じですね。

「ガスエビ」は日本海の水深200~1000mほどの深海に生息し、春以降は産卵&抱卵期となります。

「ガスエビ」は主に底引き網で漁獲されるので、日本海の各地で底曳網が禁漁期となる夏以外が漁期となります。

しかし、石川県の冬場はズワイガニ漁がメインとなりますので、「ガスエビ」の漁獲量が増えるのは、ズワイガニの漁期が終わる春から初夏にかけてです。

というわけで、「ガスエビ」が食べられる時期は9月の上旬から6月の下旬頃になります。

ちなみに、身が美味しい旬は晩秋から冬にかけてです。

あと、「ガスエビ」というネーミングですが、簡単に言えばカスのエビという意味です。可哀そうに(汗

漁師さんや仲卸さんにとって一番もうかるエビは「甘エビ」ですが、先述したように「ガスエビ」は鮮度が落ちるのが非常に早く、流通させるのが難しく、さらに昔は値段がかなり安かったのです。

それで、「カスのエビ」→「カスエビ」と呼ばれたことから、「ガスエビ」と呼ばれるようになったそうです。

しかし、時代とともに流通も進化して、今ではむしろ「甘エビ」よりも高級なエビになっています。ネットなどの口コミでも、どんどん美味しいという好評価が拡大されていますので、のどぐろ同様、ますます高級エビになる予感がします。

「ガスエビ」の食べ方

【金沢の極上海老】甘エビより美味しい幻のガスエビ
写真提供:石川県観光連盟

「ガスエビ」の食べ方ですが、やはり新鮮な刺身が一番美味しいです。

「ガスエビ」を刺身にしますと、とにかく身が甘くて、食感も驚くほどプリプリと弾けるような感じです。初めて食べられる方は、こんな美味しいエビがあったの!と驚かれること間違いなしです。

個人的には、柔らかい「甘エビ」の身よりも「ガスエビ」の身の方が好みです。

刺身の他にも、「ガスエビ」の小さいものは、から揚げにしますと、殻ごと頭から食べられ美味です。香ばしさと身の甘さが程よく交わりガスエビ独特の美味しさが口の中に広がります。

また、「ガスエビ」はクセがなく、独特の旨味がありますので、塩焼き、天婦羅、みそ汁などもおすすめです。

「ガスエビ」は、どこで食べられる?

石川県の旅館や料亭などで加賀料理として使用されるエビは、やはりメジャーな「甘エビ」がほとんどです。

しかし、こだわりの旅館、割烹、寿司屋、居酒屋などで、「ガスエビ」を出すところが増えてきています。

金沢の回転寿司はかなりレベルが高く、回らない高級寿司屋さんと遜色ない美味しさですので、「ガスエビ」を気軽に味わえます。ただ、市場にいつでもあるわけではありませんし、刺身にする大きな「ガスエビ」が入荷しなければ提供されませんので、事前の確認が必要です。

また、粟津温泉の「のとや」では、「金澤懐石」で4月以降に「ガスエビ」が提供されますので、公式サイトなどで確認されてみてはいかがでしょうか。

あと、観光で近江町市場に来られたら、店頭で食べられるお店もありますので、「ガスエビ」の時期の旅行で観光される際は、要チェックですね。私は、いつも近江町市場で「ガスエビ」を買っています。

なお、「ガスエビ」は鮮度が落ちるのが早いため、産地でないと味わえず、首都圏等にはあまり出回らないのですが、ネットのモールで販売されていました。

むむ…、幻ではなくなったか(汗

やはり、流通の進化のたまものですね。

というわけで、今回は「甘エビ」より美味しい幻の「ガスエビ」のご紹介でした。

「ガスエビ」は市場にいつでもあるわけではありませんが、本当に感動的な味がする、金沢の極上かつ貴重なエビです。一度は食べてみる価値があると思いますので、石川県に来られたらぜひ旬の「ガスエビ」を味わって下さい。

※この記事に掲載されている情報については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。

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