春の山菜はどうしてこんなに美味しいのだろう!と毎年思います。先日も知人から天然の山ウドを頂きました。
さっそく天ぷらや酢味噌和えをしたのですが、このオーソドックスなレシピが山ウドの魅力をフルに楽しめる方法のように思えます。
というわけで、今回は天然の山ウドのお話です。
そもそも、ウドって?
ウド(独活、学名:Aralia cordata)は、ウコギ科タラノキ属の多年草で、季語は晩春です。と言っても何のこっちゃですが、このウコギ科の山菜というのは「キド味」があり、天ぷらが良く合い、和え物もおすすめです。
キド味?
初めて聞かれる方も多いと思いますが、「キド味」というのは一言で分かり易く言うと「クセのある味」です。ただのアク味ではなく、山菜特有の風味や丸み、深みが加わったアク味です。ウド以外でも、たらの芽、コシアブラなどが有名です。
ウドが独活と書かれるわけ?
ウドは柔らかく、風もないのに独りで動くように見えることから、「ウゴク→ウドク→ウド」となまったらしく、漢字も「独活」と当てられました。ウドは「土当帰」とも書きます。「独活」という漢字の歴史は古く、奈良時代の遺跡から「独活」と書かれた木簡が見つかっています。
ウドの大木?
「ウドの大木」という慣用句は「体ばかり大きくて役に立たない」という意味で使われます。
ウドが食用となるのは若い茎や穂先ですが、ウドは放っておくと高さが2~3mになり食べられなくなります。ウドは「木」でなく「草」なので大きくなってもやわらかいため使い道がありません。そこから、役に立たない「ウドの大木」という慣用句が生まれたようですね。
天然の山ウドと栽培ウド?
天然の山ウドはスーパーでは滅多に見かけません。ほとんどは大量に栽培されたもので、天然の山ウドの持つ独特の「香り」や「ほろ苦さ」は期待できません。
天然物の山ウドは収穫できる期間が非常に短く、限られた時期にしか採れませんが、1度でも野性味溢れる本物の天然山ウドの味を知ると、その味を忘れられ無くなります。
現在、ウドは全体が白い「軟白ウド」と緑色の「山ウド」の2種類がありますが、一般に多く流通しているのは量が多いのは「軟白ウド」です。この「軟白ウド」は日光を当てずに地下などで栽培するため全体が白くなります。まあ、香りとクセを抑えるために品種の改良をした暗室栽培の野菜という位置づけであり、山菜とは別モノと言えます。
本来、山ウドというのは天然の山ウドのことですが、天然ものは絶対数が少なく、市場にはほとんど流通していません。スーパーで見かける「山ウド」は、「軟白ウド」に日光を当てて緑化させたものがほとんどです。天然ものと比較した場合、こちらも山菜とは別モノと言えます。
昔は天然の山ウドなんて家の近くで簡単に採ることができましたが、今では近隣の山野が住宅地などになってしまったので難しいです。ただし、石川県では大都会と違って、山奥で開催されている朝市や山間部の道の駅などで簡単に入手できます。JAの「ほがらか村」でも旬のときに見かけますし、都会と違って入手しやすい環境にあります。
天然山ウドの美味しい食べ方は?
天然山ウドの美味しいを引き出す食べ方は、やはり「天ぷら」と「酢味噌和え」ですね。オーソドックスですが、素材の美味しさを堪能できます。なお、詳しいレシピはクックパッドなどをご覧下さい。
天然の山ウドの天ぷら
本格的に天つゆを作ればベストですが、うちはいつも大根おろしに麺つゆです。簡単ですが、天ぷらとのマッチングはバッチリです♪
1/葉と茎に切り分けます。
2/茎表面の皮を薄くむきます。
3/茎を斜めに切り、葉は適当な部分で切り分けます。
4/天ぷら粉を振り、水溶きの衣を付けて揚げます。
天然の山ウドの酢みそ和え
天然の山ウドの野生味と香りを堪能できます。酢味噌作りの比率は、味噌2、砂糖3、酢2の割合がベストかと。
1/根元に近い部分の皮をむき、薄く切ります。
2/2分ほど茹で、冷水で熱をとりザルで水をきります。
3/酢みそを作り食べる直前に合えます。
ぜひ、この旬の時期に天然の山ウドの抜群の風味をご堪能ください!
ということで、今回は天然の山ウドのお話でした。
※この記事に掲載されている情報については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。