【金沢の天徳院(てんとくいん)】石川県の紅葉情報2020

金沢市にある琴姫様の菩提寺「天徳院」の紅葉
写真提供:金沢市

【天徳院(てんとくいん)の概要】

「天徳院(てんとくいん)」は、石川県金沢市小立野にある曹洞宗の寺院で、「珠姫様(ことひめさま)」の寺院として有名です。山号は「金龍山(きんりゅうざん)」で、院号は加賀藩主前田利常の正室「珠姫様(ことひめさま)」(二代将軍徳川秀忠の次女)の法号である「天徳院殿乾運淳貞大禅定尼」にちなんでいます。

「天徳院山門」は平成19年12月25日に石川県指定重要文化財になっています。

木造の「羅睺羅像」や「見返阿弥陀立像」は江戸時代に作られたもので、特に「見返阿弥陀立像」については、「永観」が仏様の周りを念仏を唱えながら回っていた時に、「永観」が眠たくなり立ち遅れたので、先導していた如来が「永観おそいよ」と後ろを見返られたという伝えによって作られたとされています。また、360度周りの人々すべてを救いたいという誓願を表している像でもあります。

紅葉を楽しめる庭は、山門をくぐり抜けたところの前庭と茶室を利用される方が見れる「黙照禅(もくしょうぜん)庭」があります。

有料ですが、抹茶とお菓子を頂けますし、からくり人形の上演を観ることもできます。

行事も色々ありますが、その中でも8月9日の「珠姫まつり法要」は特筆すべき行事です。
当然ながら、「天徳院」は「珠姫様」の菩提寺だからです。

元和9年(1623年)に加賀三代藩主、前田利常公は正室珠姫菩提のために創建されました。

境内で、珠姫の生涯を描いた「からくり人形」の拝観が出来るのも特徴のひとつです。
徳川家と前田家の友好・主従関係を、江戸から嫁いだ珠姫の人生について学ぶことができます。

【天徳院の紅葉】

天徳院は石川県金沢市にある人気の紅葉スポットです。

天徳院の紅葉は例年11月上旬から11月下旬が見ごろです。

天徳院には美しく趣のある前庭と内庭がありますが、その様子は藩政期以来、ほとんど変わっていないといわれています。「兼六園より美しいかもしれない」という評判もあり、まさに知る人ぞ知る紅葉の穴場スポットです。

山門をくぐると広がる前庭には、ヤマモミジやイロハモミジ、トウカエデなど多数の木々が植えられているのですが、推定樹齢100年を超える、燃えるような美しい秋色のモミジは絶景です。モミジの枝が手で触れる高さまで伸びていますので、至近距離で紅葉を楽しむことができます。

奥には「黙照禅(もくしょうぜん)庭」と呼ばれる趣のある回遊式庭園があり、茶室を利用される方は見学できます。抹茶席で一服して、深まる秋を楽しまれたらいかがですか。なお、落ち葉の頃にはモミジの絨毯(じゅうたん)が広がり、趣がさらに増します。

黙照禅(もくしょうぜん)は曹洞宗の禅風をいい、臨済宗の看話禅 (かんなぜん) の対語です。座禅に集中し、心の活発な働きを抑え、無念無想となることを修行する禅です。

「黙照禅(もくしょうぜん)庭」は四季折々の風情が楽しめる庭園で、紅葉もさながらゴールデンウィーク明けに話題となる「なんじゃもんじゃ」もお勧めです。

俗名は「なんじゃもんじゃ」ですが、本名は「ヒトツバタゴ」で、花言葉「清廉」どおり清楚な雰囲気の花を咲かせます。

「なんじゃもんじゃ」の俗名については、名前がわからなかったので「なんの木じゃ?」「なんじゅうもんじゃ?」とか呼ばれているうちに、いつのまにか「なんじゃもんじゃ?」という俗名が付けられたといわれています。

【天徳院の歴史】

「珠姫様」は、加賀・能登・越中の加賀藩三代藩主前田利常公の正室で、慶長4年(1599年)江戸幕府第二代将軍徳川秀忠公の次女として生まれ、名前は珠子、幼名を子々姫といいました。

慶長4年(1599年)「前田利家」が亡くなり、二代藩主「利長」が加賀藩を治めていました。ところが、前田が徳川を討つという噂が流れ、将軍家康が前田を滅亡させようとしました。

この情勢を入手した「利長」は、徳川幕府に反抗することは全くなく、デマである旨説明しました。さらに、「利長」の母、「お松の方」(芳春院)を人質として江戸に送り代わりに「珠姫」を「利常」の嫁として受けることを約束したのです。

慶長6年(1601年)、珠姫様が3歳のときに加賀の国(金沢)へお輿入れになり14歳で結婚、その後10年間に3男5女を出産し、育てられています。

珠姫さまは利常公の妻として、将軍秀忠公の娘として前田、徳川両家の融和のために心を尽くされましたが、元和8年(1622年)24歳の時、夏姫様を出産した後に亡くなられました。

葬儀は城外小立野の地で荘厳にが行われ、遺骨を金沢と高野山に分骨してそれぞれに寺を設けて、戒名の『天徳院殿乾運淳貞大禅定尼』にちなんで、いずれの寺院も天徳院と称しました。

珠姫さまの、徳川家による危機を救い、加賀百万石の繁栄に尽くされたという生涯が賞賛され、金沢市民に今も敬愛され親しまれています。

加賀三代藩主「前田利常」が、前年元和8年に24歳で亡くなった正室「珠姫」(二代将軍徳川秀忠の次女)の菩提を弔うために、金沢城の東に位置する小立野台に4万坪の広大な敷地を定めて元和9年(1623年)に天徳院を創建し、翌年の元和10年に「巨山泉滴和尚」を千葉県長安寺よりお招きして開山としました。

寛文11年(1671年)に珠姫様の遺骨が天徳院境域より野田山に改葬されました。

五代藩主「綱紀」は四代藩主「光高」50回忌供養のために、親交の深かった明の僧、黄檗宗五代管長「高泉和尚」に委嘱して着工から10年の歳月を要して天徳院の全堂宇をすべて明朝式に建築しましたが、明和5年(1768年)に起きた火災で、山門や宝蔵などを除いて、主要伽藍を焼失しました。翌明和6年(1769年)12月には「前田重教」による70日間の突貫工事で本堂、講堂、庫裏が再興されました。

【天徳院へのアクセスや料金など】

(拝観料)
大人500円、中学生300円、小学生200円。
からくり人形上演は1日4回(上演時間 10:00・12:00・14:00・16:00)
からくり人形の上演は15分ほどです。本堂の中は、撮影禁止です。

(お抹茶料)
500円。「黙照禅庭」を楽しめます。

(拝観時間および所要時間)
・3月~11月は、午前9時~午後4時30分。
・12月~2月は午前9時~午後4時。
・お寺の説明・からくり人形上演をあわせて約1時間を要します

(休観日)
12月~2月の毎週水曜日
12月29日~1月3日

(車利用)
北陸自動車道金沢森本ICより山側環状道路利用。15分ほど。
JR北陸本線金沢駅から20分ほど。
(バス利用)
JR北陸本線金沢駅から西口から北陸鉄道グループ路線バス利用。
10番、11番、12番、16番乗車。「天徳院前」バス停下車すぐ

※料金は定時・随時の改定や増税等による改定がありますので、公式ホームページにて最新の情報をご確認くださいますようお願い致します。

※この記事に掲載されている画像や情報については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。

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