【雇用調整助成金】緊急対応(4月1日~6月30日)のコロナ特例

【雇用調整助成金】緊急対応期間(4月1日~6月30日)のコロナ特例

 

フリーランスのラポンは社労士の仕事もしています。

最近、コロナウイルス感染の急拡大に伴い、雇用調整助成金について経営者の方々からの相談が急増しています。

昨日、社労士の全国連合会から非常に分かり易い動画がYouTubeにアップされ、一般に公開されましたので、今回は労働法務の専門家として経営者の方々を対象に動画を活用して雇用調整助成金の簡単な制度説明をさせていただきます。

本来の雇用調整助成金

本来の雇用調整助成金は、

1/事業活動の縮小を余儀なくされた事業主であって、
◆生産指標(売上等)が下がっていること。

2/労働者の雇用を維持する取り組み(雇用調整)をした者に
◆休業中の社員に休業手当を支払っていること。

3/労働者に支払った休業手当に対する助成や援助を行うもの

【 事例1 】

コロナウイルスの影響で受注縮小、売上が落ち込んでしまった!結果、従業員30名を10日間休ませざるを得ない!

⇒30名×6,000円×10日=1,800,000円(国から支給されます)
6,000円は次の計算で求めます。

あなたの会社の前年の雇用保険に入っていた従業員に支払った給与の平均(日給)が15,000円で、休業手当の支給割合が60%であった時の計算です。

(15,000円×60%=9,000円←この約67%が助成されます)

以上が本来の雇用調整助成金です。

緊急対応期間の雇用調整助成金

【雇用調整助成金】緊急対応期間(4月1日~6月30日)のコロナ特例

令和2年4月1日から6月30日までの間を緊急対応期間として、支給要件や支給額の拡充が行われます。

緩和された支給要件は?(令和2年1月24日から)

1/雇用量増加要件の撤廃
◆雇用保険被保険者が前年よりも増加していてもOK!

2/事業所設置後1年以上要件の撤廃
◆具体的には1月24日前に事業を始めていて、かつ生産性指標、売上が下がったとする数字を昨年の12月まであげられるという場合、申請が可能です。

3/計画届を後出し可能に
◆本来は画届をあらかじめ提出することが必要でしたが、これから申請することができます。

4/「残業相殺」の停止
◆稼働日に残業があっても、助成金の減額はなし。

5/新卒対象者も助成の対象に
◆雇用保険被保険者期間6ヵ月以上要件が撤廃。

6/短時間休業のローテーションも可能。
◆短時間休業は一斉に実施する必要がある要件が撤廃。

緩和された支給要件は?(令和2年4月1日から)

1/支給要件の拡充
◆4月1日以降開始の休業に対して80%または90% *中小

2/売上が前年同期比5%以上ダウン
◆前年同月(1カ月)対比。1/24~3/31は10%ダウン。

3/雇用保険未加入者も受給対象に!
◆受給額の計算方法が異なります。

4/支給限度日数が別カウント
◆「年間上限100日」+4月1日から6月30日まで

5/教育訓練加算の拡充
◆2,400円/人・日*中小 在宅からの研修参加もOK!

緊急対応期間中の受給額

【 事例2 】

コロナウイルスの影響で受注縮小、売上が落ち込んでしまった!結果、従業員30名を10日間休ませざるを得ない!

⇒30名×8,100円×10日=2,430,000円(国から支給されます)
6,000円は次の計算で求めます。

あなたの会社の前年の雇用保険に入っていた従業員に支払った給与の平均(日給)が15,000円で、休業手当の支給割合が60%であった時の計算です。
(15,000円×60%=9,000円←この約80%(or90%)が助成されます)

【 注意 】
8,100円は実際に支払った休業手当の額と連動しません。動画の説明でもあるように、支払った休業手当のちょうど80%(90%)ではないということです。ここはよく勘違いされますので、動画の説明を見て十分理解して下さい。

よくある勘違い

1/コロナ休業しているが、内勤業務で出勤している。対象になるか?
⇒助成金でいう休業に該当しません。

2/縮小しながら営業しているが、対象になるか?
⇒休ませている社員が対象になる。

3/会社は休業しているが、テレワークで運営している。対象になるか?
⇒テレワークは勤務にあたり、休業に該当しない。

【4/21公開】新型コロナウイルスによる雇用調整助成金解説動画 ①制度概要

【4/21公開】新型コロナウイルスによる雇用調整助成金解説動画 ②申請手順

【4/21公開】新型コロナウイルスによる雇用調整助成金解説動画 ③教育訓練加算

詳細につきましては、顧問社労士、労働局、ハローワークにてご確認願います。

【さらなる拡充が決定されました】

上記以外の拡充が決定されました(追記:4月26日)

4月25日、厚生労働省は改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく要請に応じて休業や営業時間短縮を行う中小企業への助成率を10割に引き上げると発表しました。対象は令和2年4月8日以降の休業手当です。なお、企業経営者から引き上げ要望の強い日額8,330円の上限は現段階では維持するとしています。

この記事は4月26日現在の内容です。今後も色々と変更されると思われますので、詳細につきましては、顧問社労士、労働局、ハローワークにてご確認願います。

【注1】 本記事の埋め込み動画につきましては、YouTube利用規約に基づき、埋め込み許可をされている動画を、埋め込みコードを変更せずに使用しています。
※この記事に掲載されている情報については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。

タイトルとURLをコピーしました