石川県には、「加賀温泉郷(あわづ温泉・片山津温泉・山代温泉・山中温泉)」や、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で36年連続日本一に選ばれた旅館がある「和倉温泉」をはじめ、数多くの温泉地があり、石川県に来られた多くの観光客の方が宿泊されています。
ところが、「東茶屋街」、「近江町市場」、「21世紀美術館」、「兼六園」、と金沢で観光を楽しんだあと、金沢郊外の温泉でゆっくりしたいという観光客の方も多く、そのような方には、「金沢犀川温泉」、「深谷温泉」、そしてここ「湯涌温泉」の「金沢三泉」がおすすめの温泉地になっています。
金沢での宿泊といえばホテルのイメージが強いのですが、旅館にこだわる方には「金沢三泉」がおすすめです。
今回ご紹介する「湯涌温泉」は「金沢の奥座敷」と呼ばれる山里の秘湯です。
子供の頃に町内会の旅行で行ったのが最初ですが、「遠くの温泉地に行かなくても、こんな近くに凄い温泉があったんだ!」と子供ながらに感動したのを覚えています。
「湯涌温泉」は自宅が近いこともあり、日帰り温泉の利用はもちろん、美味しいものを食べてゆっくり過ごしたいときは一泊して穏やかな時間を楽しんでいます。
【湯涌温泉の概要】
写真提供:金沢市
浅野川から分かれる道路沿いの山間に九軒の旅館がたたずむ静かで落ち着いた山里の温泉です。旅館の他に、日帰り温泉の「総湯 白鷺の湯(しらさぎのゆ)」、竹久夢二の記念館である「金沢湯涌夢二館」、江戸時代の建築物を移築した「金沢湯涌江戸村」、「玉泉湖」、氷室行事で有名な「氷室小屋」などがあります。
山里といっても、流通が発達していますので、海の幸、山の幸をふんだんに使用した加賀料理が楽しめる旅館がほとんどです。
例えば、下の写真のような、新鮮な「白子酢(しらこす)」を頂くことができました。大きくプリプリの白子で、味も最高!個人的には「白子酢」、「蟹」、「寒ブリ」を味わえる冬の時期が好きですね。
Ⓒ穏やかなラポン 「お宿やました 白子酢(しらこす)」
「湯涌温泉」は加賀藩のお殿様が何度も湯治に通ったという名湯です。なんともいえない「なめらかさ」があり「白鷺の湯(しらさぎのゆ)」の愛称で呼ばれています。
私もそうですが、このトロミさえ感じる滑らかな湯触りにひかれ、リピーターになる方が多いです。
なお、同じ湯涌温泉ですが、もう少し山奥に足をのばすと「銭がめ温泉元湯」があります。銭がめ温泉も名湯として有名で、源泉かけ流しのお湯でゆっくりくつろぐことができます。
元々は加賀百万石前田藩主が鷹狩りの休憩所として使用していたと伝えられる豪壮な庄屋屋敷を利用したお食事処でしたが、現在の店主がその業を引き継ぎ、宿泊施設としても利用できるようにされたそうです。日帰り入浴も可能です。
【湯涌温泉の歴史】
写真提供:金沢市
「白鷺の湯(しらさぎのゆ)」という温泉名の由来については、養老二年(718年)に紙漉き(かみすき)職人が泉に身をひたしている白鷺(しらさぎ)に近づき、この温泉を発見したと伝えられています。
江戸時代には加賀藩の加賀藩主を初め、一族が常用し、大正初期には「日本の名泉」として、ドイツで行われた万国鉱泉博覧会に出展しています。また、明治以降は、竹久夢二を初めとする多くの文人・墨客が愛用しています。
1937年(昭和12年)に建てられた共同浴場は「総湯」と呼ばれていましたが、1999年(平成11年)に改装され、開湯伝説に由来する「総湯 白鷺の湯(しらさぎのゆ)」へと名称が変更されました。
【湯涌温泉の泉質】
温泉は無色無臭の透明で、ほのかな塩味がします。
(泉質)
ナトリウム – 塩化物・硫酸塩塩泉(低張性・弱アルカリ性・低温泉)
【金沢湯涌夢二館】
写真提供:金沢市
「金沢湯涌夢二館」は、平成12年に建てられ、画家であり詩人でもある竹久夢二の作品やゆかりの品々を展示しています。じつは、夢二が恋人の笠井彦乃と新婚旅行同然の至福の時を過ごしたのが、金沢の湯涌だったそうです。そのさい利用したのが「お宿やました」の前身である「山下旅館」とのことです。
「金沢湯涌夢二館」の裏手にある「医王山薬師寺」の境内 には湯涌での歌十数首のうちの一首で、夢二と彦乃との愛を歌った「湯涌なる 山ふところの小春日に 眼閉ぢ死なむときみのいふなり」が歌碑として刻まれています。
開館時間:午前9時~午後5時30分 (入館は5時まで)
休館日:年中無休(展示替え時のみ休館)
観覧料金:一般300円。
【氷室(ひむろ)小屋】
写真提供:金沢市
江戸時代は氷が貴重であり、加賀藩では冬に「氷室(ひむろ)小屋」に雪を詰め、保管していました。そして、旧暦6月1日に保管していた氷を徳川家に献上していました。
復元された氷室では毎年1月最終日曜日に雪を詰める「氷室の仕込み」を行い、6月30日に「氷室開き」を行っています。その様子は伝統行事としてテレビ各局が毎年取り上げています。
金沢の人々は旧暦6月1日にあたる7月1日を「氷室の日」とし、「氷室饅頭(ひむろまんじゅう)」や「氷室の竹輪(ひむろのちくわ)」を食べ家族の無病息災を願います。
【ぼんぼり祭り】
写真提供:金沢市 「ぼんぼり祭り 点灯式」
2011年に放送されたテレビアニメ「花咲くいろは」で描かれた「ぼんぼり祭り」が舞台モデルとなった金沢市湯涌温泉で、現実のイベントとして毎年秋に開催されるようになっています。今ではすっかり季節の風物詩になりました。
今年の予定は、以下のとおりです。
◆第9回湯涌ぼんぼり祭り点灯式 令和元年7月21日(日)
◆第9回湯涌ぼんぼり祭り本祭 令和元年10月12日(土)
写真提供:金沢市 「ぼんぼり祭り 本祭」
【湯涌温泉へのアクセス】
バスを利用する場合は、金沢駅東口の12番系統から湯涌温泉ゆきの北鉄(ほくてつ)バスに乗車し55分ほどで終点の「湯涌温泉」に到着。
車ですと、北陸自動車道金沢森本ICから県道10号を通り30分ほどです。
※湯涌温泉での宿泊プランは以下の旅行代理店で確認して下さい。
→ 楽天トラベル
→ じゃらん
→ JTB
※料金は定時・随時の改定や増税等による改定がありますので、公式ホームページにて最新の情報をご確認くださいますようお願い致します。
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