【粟津温泉(あわずおんせん)】石川県の温泉情報

粟津温泉「泰澄大師(たいちょうたいし)」
写真提供:石川県観光連盟 「粟津温泉泰澄大師」

粟津温泉の概要

「粟津温泉」は718年(養老2年)、「泰澄大師(たいちょうたいし)」によって開湯されました。「泰澄大師」は文武天皇の勅使として鎮護国家の法師となった高僧です。

霊峰白山で修行中に、白山大権現の夢をみて、お告げどおりに掘ったところ温泉が湧出したと伝えられています。

「粟津温泉」は地元の人、特に金沢人に愛されてきた温泉で、今でも粟津温泉の利用客で一番多いのが金沢からの客です。
粟津温泉「法師」
写真提供:石川県観光連盟 「粟津温泉 法師」

粟津温泉の温泉旅館といえば、「法師」、「辻のや花乃庄」、「のとや」などの落ち着ける老舗旅館で有名です。体と心をゆっくり、のんびりと癒したいという方におすすめの温泉地です。

「法師」、「辻のや花乃庄」、「のとや」は、いずれも「ミシュランガイド富山・石川(金沢)2016特別版」の掲載旅館で、4パビリオン(4つ星★★★★)を獲得しており、高級老舗旅館として位置づけられています。

■「法師」

「法師」は粟津温泉の開湯と同時に「泰澄大師」の命によって湯治場として718年(養老2年)に開業し、「法師」という名はその時につけられました。

一九九六年(平成8年)には、「世界最古のホテル」としてギネスに登録されました。(現在は開湯705年(慶雲2年)の慶雲館が再登録しています)

また、創業二百年を超える企業に加入を許されるフランスの「エノキアン協会」にも一九八七年(昭和62年)に加入しました。「エノキアン協会」加盟の企業内で最古の歴史を有しています。

(Quote from official website)
Hoshi has a 1300 year history of stylish hospitality.
This Year – This Month – Today
A Once-In-A-Lifetime Experience
We have been welcoming guests with warm hospitality for as long as 1300 years.
The legacy of our old hotel has been cherished and refined to this day, and will continue with the future generations.
We approach our work with diligence, humility and resolve each day to welcome new customers.
Our wish is for all visitors who come our way to enjoy a day of relaxation and delight.

■「辻のや花乃庄」(コロナ禍で休業)

北陸随一の2万5千坪という広い回遊式庭園には天然の川が流れており、桜、夾竹桃、山茶花などの四季折々の花が楽しめます。夜の庭園を幻想的に彩る、プロジェクションアート「デジタル掛け軸」や自家堀源泉の露天風呂(岩風呂)などが自慢の純和風温泉旅館です。

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■「のとや」

創業から700年以上の「のとや」では、館内すべての温泉施設で自家源泉100%の湯を使っており、チェックインからチェックアウトまで、いつでも入浴できるよう配慮されています。

また、一度に20人は入れるかという広大な「離れ貸切露天風呂」が宿の自慢になっており、誰もがその広さに驚かれます。この広大な露天風呂を一人または少人数で独占する開放感は、「のとや」でしか味わえない贅沢です。

粟津温泉 「法師」の温泉

写真提供:石川県観光連盟 「粟津温泉 法師」

田山花袋と粟津温泉

田山花袋(たやまかたい)は「田舎教師」などの作品を発表した自然主義派の作家として有名ですが、じつは無類の旅行好きで、日本全国の温泉を巡り多くの旅行記を残しています。

1922年(大正11年)に金星堂から出版された、田山花袋他著の「温泉周遊 西の巻」もその一つで、その旅行記にこんな記述があります。

「靜かに落附いてゐられるやうな氣のするところである。…(中略)…『さうですな、粟津が矢張一番落附きますかな』かうした言葉を私は少くとも三四人の人々から聞いた。」

今でも、粟津温泉は落ち着いた雰囲気があるのですが、昔から「落ち着ける」という評価が高かったのです。

また、旅行記には、近くに北陸の名勝那谷寺(なたでら)があり、紅葉の頃には人々がわざわざ見に行くとも書かれています。那谷寺は令和の今でも石川県の紅葉の名所として有名で、毎年多くの方が訪れています。

【那谷寺(なたでら)】石川県の紅葉情報2020
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その後、1926年(大正15年)に出版された田山花袋著の「温泉めぐり」には、「・・・粟津温泉は一番静かで居心地がよかった」と書かれているそうです。

粟津温泉の泉質

粟津温泉 総湯前
写真提供:石川県観光連盟 「粟津温泉 総湯前」

粟津温泉の泉質は硫酸塩泉(旧泉質名 芒硝泉)です。

硫酸塩泉は、含有成分によって、カルシウム硫酸塩泉(石膏泉)、ナトリウム硫酸塩泉(芒硝泉)、マグネシウム硫酸塩泉泉(正苦泉)」の3種類に分類されます。

源泉は無色透明かつ無臭で、飲泉が可能な弱アルカリ性です。肌にやさしい美人の湯として親しまれています。「総湯」を中心に各温泉旅館が源泉を所有しており、旅館によっては泉質等が微妙に違います。

おっしょべ祭り

大王寺の薬師如来を祀り、開湯を記念したお祭りで、「湯の祭り」「湯祭」とも言われます。毎年夏の終わりに、粟津温泉交流広場を中心に開催しており、期間中には「おっしょべ踊りコンテスト」も行われ、踊りを競い合います。

「おっしょべ」という名称は、粟津温泉郷で400年前から受け継がれている「おっしょべ物語」という、宿屋の奉公人同士の恋物語からきています。

2019年(令和元年)の開催期間は、8月22日(木)~24日(土)でした。

■おっしょべ物語

400年ほど前、粟津温泉郷の宿屋に「お末」という下女が奉公していました。ある日、彼女は向かいの宿屋に奉公している下男の「竹松」に恋をしました。想いは日増しに高まり、ある日の晩、その竹松の部屋を目指して松の木を上っていったものの、足を滑らせ地面に落ちました。翌日、その話は町中に広まり、それを知った「竹松」は感動し、「お末」を籠に乗せて自分の故郷へ連れて帰り、めでたく結婚しました。

という、ハッピーエンドのお話です。この「お末」の「お末べぇ」が訛って「おっしょべ」になったらしいです。

♡♡恋人の聖地プロジェクト♡♡

粟津温泉観光協会は「おっしょべ物語」を生かし、地域活性化の「恋人の聖地プロジェクト」に申請し、2007年、石川県で最初に認定されました。

「恋人の聖地プロジェクト」は、全国の観光地から、プロポーズにふさわしいロマンチックなスポットを「恋人の聖地」として選定しているものです。

粟津温泉は、結びの神様「くくり媛」を祭神とする霊峰白山のお膝元でもあり、まさに恋人の聖地と呼ぶにふさわしいスポットです。

「おっしょべ公園」をはじめ、「幸せの鐘」、「祈りの小径」などを散策して、二人の恋愛成就を目指してみませんか。

「恋人の聖地」の象徴は「幸せの鐘」で、1回鳴らすと「恋が見つかる」、3回鳴らすと「愛が深まる」、5回鳴らすと「あの頃の想いが蘇る」とされています。

あなたの恋の状況によって、お好きな回数を鳴らしてください。

粟津温泉へのアクセス

(無料送迎)
■「法師」、「辻のや花乃庄」、「のとや」は、いずれも「JR加賀温泉駅」「JR粟津駅」からの無料送迎をしていますが、事前の予約が必要です。

(タクシー)
■JR北陸本線加賀温泉駅→タクシー約20分
■小松空港→タクシー約25分
■JR北陸本線粟津駅→タクシー約10分

(車)
■大阪方面からですと、「北陸自動車道加賀IC」から国道8号線約20km約20分さらに約5km約10分目標物:粟津IC下車信号2つ目右折、信号2つ目左折
■新潟方面からですと、「北陸自動車道美川IC」から国道8号線約20km約25分さらに約3km約5分目標物:粟津IC下車左折、信号2つ目左折

※この記事に掲載されている情報については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。

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