一般的に、農作物はその年の天候が良いか悪いかで、豊作か不作かが決まるのですが、「たけのこ(筍、竹の子)」については天候とは関係なく、ほぼ1年ごとに豊作の「表年(おもてどし)」と不作の「裏年(うらどし)」が繰り返されています。
今年の金沢については「表年」で、既に我が家はタケノコ三昧の日々を楽しくおくっています。個人的には、今が旬の「タケノコご飯」は「炊き込みご飯」の「春の王者」に思えます♪
まあ、こんな時期ですので、外出自粛をされている皆様も自宅でタケノコのフルコースを作って美味しさを堪能されてみたらいかがですか。
というわけで、今回の記事は「たけのこ(筍、竹の子)」の「表年(おもてどし)」と「裏年(うらどし)」についてです。レシピは無しですので、クックパッドなどをご覧下さい。
たけのこに「表年」と「裏年」がある理由
「たけのこ(筍、竹の子)」は、豊作年を「表年」といい、逆に不作年のことを「裏年」といいますが、何が原因で豊作不作が起きるのでしょう?
林野庁の公式サイトに載っている「竹の性質」によれば、竹は3~4年目の地下茎が最もたけのこを産み、5年目を過ぎると減少し、豊作(表年)と凶作(裏年)がおおむね隔年にあらわれ、たけのこの発生量に差が生じるとのことです。
これについては、竹の葉の新芽と落葉のサイクルが関係するという説もあります。
新芽が光合成で作った糖は根に蓄えられ、多くのタケノコを成長させます。したがって、その年は豊作で「表年」になります。
ところが、それらの収穫後は、葉がさほど落ちず、新しい葉もあまり出ないので光合成もさほど行われず、根に蓄える糖も少なくなります。その結果、タケノコが少なくなるので、その年は不作で「裏年」になります。
まあ、最盛期の勢いがなくなると、波動砲やかめはめ波のようにエネルギーの放出と充填を交互に繰り返すというイメージですね(笑
ただ、ここで不思議なことに気がつきませんか?
よく、テレビや新聞などで「金沢のタケノコ、今年は表年!」とか報道されますが、どうして個々のタケノコの豊作や不作が同調するのかという疑問が起こります。
金沢の別々な場所で、別々の時期に植えられた竹なのです。個々のタケノコの隔年現象なら、結果はランダムというかバラバラですから「表年」も「裏年」もバラバラなので、竹林全体でも地方全体でも平均化され、安定した収穫が得られるはずですよね?
それなのに、何故、「金沢のタケノコ、今年は表年!」となるのでしょう?
これは、「同調」という現象で、生理学的説明では説明できず、まだ明確に解明されていない現象の1つらしいです。
昔から美味しく食べているタケノコでさえ、まだ解明されていない現象をもっているなんて、この世は本当に不思議なことだらけですね。
たけのこの表年と裏年の出荷量の差は?
たけのこの「表年」と「裏年」の出荷量にはどれくらいの差があるのでしょうか?
金沢市の公式サイトによれば、平成24年度から平成29年度のタケノコの出荷量は次のようになっています。
平成24年度:866t
平成25年度:245t
平成26年度:692t
平成27年度:252t
平成28年度:626t
平成29年度:220t
タケノコ農家さんとしては、毎年できるだけ安定した収穫を目指したいと思いますが、この数字を見る限りきびしそうですね。
たけのこの白い粉状の付着物は?
「表年」と「裏年」とは関係ないのですが、タケノコのアルアル知識として載せておきます。
時々、たけのこに白い粉が付いているのを見たことがありませんか?カビと間違える人もいますが、これは「チロシン」と呼ばれるアミノ酸で食べても無害です。
チロシンは時間が経つとアクの成分に変化しますので、たけのこを収穫したらすぐにお湯に通したほうがいいです。もし、時間が経ってしまったなら、下ゆでしてアク抜きをすればOKです。
ということで、今回は「たけのこ」の「表年」と「裏年」についての記事でした。
今年はタケノコのうれしい「表年」ですので、ぜひ思いきり堪能して下さい。
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