【山フキ(山蕗、野蕗、野ブキ)】庭で採れる旬の山野草

【山フキ(山蕗、野蕗、野ブキ)】庭で採れる旬の山野草
Ⓒ穏やかなラポン 「山フキ(山蕗、野蕗、野ブキ)」

うちの庭には観賞というより、食べられる植物が多く栽培されています。列挙しますと、梅の木、琵琶の木、ミョウガ、山フキ、アップルミントは植えっぱなしで、その年によってはニンニク、ゴーヤ、枝豆、ミニトマト、イチゴなどが登場します。

その中で蕗の薹(フキノトウ)をはじめ、煮物では抜群の美味しさを誇る山フキはメジャーな山野菜です。どこの山にも生えていますし、土手など至る所に自生していて、よく見かけます。

山フキ(山蕗、野蕗、野ブキ)はキク科の多年草で日本が原産の植物です。春先にフキの地下茎から出てくる蕾(つぼみ)が蕗の薹(フキノトウ)で、その地下茎から出てきた葉の柄や葉の部分が山フキになります。

野ブキとノブキは違う?

実は生まれてこのかた、山フキとは言わずにノブキと呼んでいました。今までノブキ以外の名称で呼んでいる人は見かけなかったのですが、野ブキとノブキは違うことが分かりました。まあ、野ブキとノブキは口に出して呼ぶときは同じくノブキなので間違いではなく書くときに注意が必要です。

この記事でご紹介している「野ブキ」は画像のようにどこにでも生えていますし、イオンなどのスーパーなどでは栽培されたものが普通に売られています。

ところが標準和名の「ノブキ」は「野ブキ」ではありません。ちょっとややこしいですね。

【山フキ(山蕗、野蕗、野ブキ)】庭で採れる旬の山野草

「野ブキ」も「ノブキ」も同じキク科で葉っぱが少しだけ似ているのですが、全く別の植物です。見た目は「野ブキ」(トップの画像)は艶消しで「ノブキ」(上の画像)は艶々しています。食べ方も異なり、「野ブキ」は茎を食べますし、「ノブキ」は若い葉を食べます。

ふだん「茎」と言っていますが、正確には葉柄(ようへい)と言って、茎につながる柄の部分になります。ちなみに、ふきの地下茎は有毒らしいので間違って食べないようにして下さい。

というわけで、面倒臭いというか誤解を避けるために「野ブキ」も「ノブキ」も採用せず、記事での名称は「山フキ」で統一しました。

アマゾンや楽天などで検索するときも「野蕗」、「野ブキ」、「ノブキ」よりも「山フキ」の方がヒットする確率が高いです。

山フキの栽培方法

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日当たり、温度

色々試しましたが、山フキは半日陰になる場所を好みます。西日がガンガン照りつける場所や土が乾燥しやすい場所よりも、あまり日の当たらない場所や木陰の方が栽培に向いています。うちは地植えなので、金沢の冬は雪に埋もれ、最近の夏は35度超えの日が多いですから、水やりさえ気をつければ、特に温度は関係なさそうです。

土と肥料

地植えもプランターも、野菜用の土で保水性のある土壌を作り育てた方が生育は良いです。ただ、これも山フキがどこにでも自生していることを考えると特に神経質になる必要はないと思います。

山フキを植える時は、早めに石灰、たい肥、少量の鶏糞、油カスなどを全面にばらまき、よく耕し込んでおきます。最低でも2週間前位には耕して土になじませます。

JAさんによりますと、「植えつけは、50~60㎝間隔に浅めの溝を掘り、30㎝間隔に横向きに根を置き、その上に4~5㎝程覆土します。さらにその上に、防乾・防暑のための稲ワラまたは腐葉土を覆っておきます。」とのことです。

うちの場合、適当に植えましたが普通に育ってくれました。肥料についてもフキノトウの収穫後と冬に地上部が枯れた時の2回しかやっていません。しかも少量です。下手すると1度も肥料を与えない年もありましたが大丈夫でした。

栽培方法という記事を書いていますが、これだけいい加減にやっても育ってくれていますので栽培は簡単です。

水やり

山フキは乾燥に弱いのでプランターで育てるよりも地植えで育てる方が無難です。地植えだと水やりを忘れてもすぐには枯れたりしません。プランターの場合は、すぐ影響が出ますので、特に暑い夏は水やりに気を付ける必要があります。

害虫

害虫はアブラムシ、ヨトウムシ、フキノメイガなどが付き易いらしいのですが、うちの山フキは10年以上経つのに虫知らずです。

収穫と増やし方

山フキは2年ほどで収穫できるようになります。まず、冬の終わりごろの2月から3月にフキノトウを収穫します。意外と成長が速いので注意が必要です。早めに収穫しないと、あっという間に花が咲いてしまいます。5月から9月は葉柄を収穫します。葉柄が50 cmほどの長さに成長したものを刈り取って収穫します。

山フキの繁殖は地下茎を葉が付いた部分ごと株分けして行えます。栽培の最初で説明したように植えるだけですので、簡単に増やすことができます。

山フキの食べ方

葉柄の食べ方

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山フキはアクが強いので、しっかりとしたアク抜きが必要になります。食べ方としては、やはり煮物にして食べるのが定番です。うちでよく作るのは、山フキと油揚げの煮物(です。
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山フキは油との相性も良いので、天ぷらや炒め物にしても美味しいです。また、ちょっと作るのが面倒ですがキャラブキや粕漬けも美味しいです。

フキノトウの食べ方

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うちの場合は他の山菜と一緒に天ぷらにすることが多いですね。

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でも、天ぷらより美味しいと思うのはフキ味噌です。市販のものもありますが、自家製のフキ味噌が最高です。作り方は意外と簡単で、材料はフキノトウ、味噌、砂糖、酒です。フキノトウを5分ほど茹でたあと、冷水に浸けてアクを抜きます。次に水気をよく絞ってみじん切りにします。最後は鍋に味噌、砂糖、酒を入れて弱火で練り味噌を作ってフキノトウを混ぜて一煮したらできあがりです。レシピはネットで数多く出回っていますのでご確認ください。

あとは、フキノトウのごま味噌和えも野趣あふれて美味しいです。

山フキに含まれる栄養素など

昔から漢方や民間療法で山フキは薬用として用いられてきました。一般的にフキノトウ(花茎)や葉に薬効があり、咳止め、健胃、毒消しなどに効くと伝えられています。

最近注目されているのは、山フキの強いアクの成分であるファイトケミカルです。ファイトケミカルというのは、フィト=植物、ケミカル=化学成分という意味で、野菜や果物の色素や香り、辛味、苦味などに含まれる機能性成分のことです。山フキにはポリフェノール類が多く含まれており、活性酸素を除去する抗酸化作用が注目されています。

ということで、今回は山フキのお話でした。自宅で栽培して旬の山野草を美味しくいただくと満足感から気持も穏やかになります。

※この記事に掲載されている情報については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。

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