高齢化が加速している今、ビタミンサプリが飛ぶように売れています。
今回の記事は、「このビタミンは、これに効く」とか、「欠乏したら、どうなる?」という内容ではなく、「このビタミンの1日の摂取量の目安は?」とか、「とりすぎると、どうなる?」というビタミンサプリの過剰摂取に特化したお話になります。
周囲を見ても、「多めに飲めば、効くだろう♪」と効果を期待して、ビタミンサプリを多めに飲まれている方は意外と多いです。
しかし、食事から薄いビタミンを摂るのと違い、サプリはビタミンが凝縮されていますので、軽い気持ちで過剰摂取することは避けたいものです。
過剰摂取の危険性について知識がないと、相当なリスクがもたらされる可能性があります。健康のために飲んだのに、思いもしなかった結果になったら大変です。
まあ、水溶性ビタミンについては、過剰に摂取した場合でも尿として体外に排泄されるので、多少摂取しすぎても心配ありませんが、脂溶性ビタミンは体内に蓄積されますので、過剰摂取による副作用が出てくる危険性があります。
摂取量の基準とした資料
この記事におけるビタミンの摂取量は「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」を参考にしています。
日本人の食事摂取基準は、健康増進法(平成 14 年法律第 103 号)第 30 条の2に基づき厚生労働大臣が定めるものとされ、国民の健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギー及び栄養素の量の基準を示すものです。
なお、食事摂取基準には20歳未満の方や妊婦・授乳婦の方の摂取量も記載されていますが、この記事では単純に20歳以上の男女を対象にしています。
また、同基準の目安量が「-」と表記されているものは、推奨量を記載しました。
「耐容上限量」というのは、この値を超えて摂取した場合、過剰摂取による健康障害が発生するリスクがゼロではなくなることを示す値です。
ややこしいビタミンの単位について
これが一番ややこしいです(汗
単純に「mg/日」で統一してくれたら良いのですが、食事摂取基準では「mgNE/日」、「μg/日」、「μgRAE/日」という単位の記載もあります。
ここは単純に以下の3つの大きさの関係を覚えておけばOKかと。
「1g(グラム)」=「1,000mg」=「1,000,000μg(mcg)」
「1mg(ミリグラム)」=「0.001g」=「1,000μg(mcg)」
「1μg(mcg)(マイクログラム)」=「0.000001g」=「0.001mg」
「μg」と「mcg(micro g)」は単位も読み方も同じで、表記のみ違います。
さらに、外国のビタミンサプリでは「IU(アイユー)」という単位が使われています。「IU」は国際単位(International Unit)の略で、脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E)などに使用される単位なのですが、これがメチャクチャややこしいです。
しかも、「IU」は重量単位ではなく、脂溶性ビタミンやホルモン、酵素、薬物などの活性を示す単位であり、一定の「生物学的効果」を発揮できる量なのです。
さらに、物質ごとに決められていますので、よけいややこしいです。
そういうわけかどうか知りませんが、日本では重量単位で示すことが求められており、最近では「IU」よりも重量単位で表すことが主流のようです。
一応、「IU」を重量単位に換算すると以下の容量になりますのでご参照ください。
1IUのビタミンA =0.3μg (マイクログラム)
1IUのビタミンD=0.025μg (マイクログラム)
1IUのβカロテン=0.6μg (マイクログラム)
1IUの天然ビタミンE(d-αトコフェロール)=0.667mg(ミリグラム)
1IUの合成ビタミンE(dl-αトコフェロール)=1mg(ミリグラム)
さらに難しくなった気が(汗
参考までにビタミンごとに4つのモールの広告枠を貼り付けましたので、アマゾンなどのモールで販売されているサプリメントの各種ビタミンの含有量と食事摂取基準の摂取量の目安(推奨量)、耐容上限量とを比較してみると面白いです。
脂溶性ビタミン
ビタミンA
◆1日の摂取量の目安と耐容上限量は?(単位:μgRAE/日)
性 別 | 男 性 | 女 性 | ||
---|---|---|---|---|
年齢 | 推奨量 | 耐容上限量 | 推奨量 | 耐容上限量 |
20~29(歳) | 850 | 2,700 | 650 | 2,700 |
30~49(歳) | 900 | 2,700 | 700 | 2,700 |
50~69(歳) | 850 | 2,700 | 700 | 2,700 |
70 以上(歳) | 800 | 2,700 | 650 | 2,700 |
◆とりすぎると、どうなる?
ビタミンAの過剰症は通常の食事ではほとんど起こりませんが、サプリメントからの摂取については、脂溶性ビタミンなので注意が必要です。
ビタミンA過剰症の症状として、急性中毒症状と慢性中毒症状の2種類が挙げられます。
急性中毒症状の場合は、頭痛、腹痛、めまい、吐き気などの症状の後に全身の皮膚がはがれます。慢性中毒症状の場合は、頭痛、関節痛、乾燥肌、脱毛、食欲不振などの症状があらわれます。
◆豆知識
ビタミンAで使われる「μg RAE」という単位を「レチノール活性当量」といいます。
これは動物性食品に含まれるレチノールの量と、主に植物性食品から摂取されるβカロテンなどのカロテノイドが体内でビタミンA作用をする場合の換算量との合計です。
以前は、ビタミンA効力(IU)で表されていましたが、ビタミンA作用をする量であるレチノール活性当量(μgRAE)で表されるようになりました。前述のように、1IUのビタミンA効力=レチノール活性当量0.3μgRAEです。
ビタミンD
◆1日の摂取量の目安と耐容上限量は?(単位:μg/日)
性 別 | 男 性 | 女 性 | ||
---|---|---|---|---|
年齢 | 目安量 | 耐容上限量 | 目安量 | 耐容上限量 |
20~29(歳) | 5.5 | 100 | 5.5 | 100 |
30~49(歳) | 5.5 | 100 | 5.5 | 100 |
50~69(歳) | 5.5 | 100 | 5.5 | 100 |
70 以上(歳) | 5.5 | 100 | 5.5 | 100 |
◆とりすぎると、どうなる?
ビタミンDは脂溶性ビタミンですので、とりすぎるとビタミン過剰症が起きます。ビタミンDをとりすぎますと、カルシウムの血中濃度が上昇する高カルシウム血症が起こり、血管壁や腎臓、心筋、肺などに多量のカルシウムが沈着するという石灰化を引き起こし、損傷を与えます。
そのため腎機能障害や食欲不振、嘔吐、体重減少、神経の興奮性の亢進、多尿、不整脈などの非特異的な症状が現れます。
ビタミンE
◆1日の摂取量の目安と耐容上限量は?(単位:mg/日)
性 別 | 男 性 | 女 性 | ||
---|---|---|---|---|
年齢 | 目安量 | 耐容上限量 | 目安量 | 耐容上限量 |
20~29(歳) | 6.5 | 800 | 6.0 | 650 |
30~49(歳) | 6.5 | 900 | 6.0 | 700 |
50~69(歳) | 6.5 | 850 | 6.0 | 700 |
70 以上(歳) | 6.5 | 750 | 6.0 | 650 |
◆とりすぎると、どうなる?
ビタミンEは、摂取量の3分の2が便として排出されますので、脂溶性ビタミンの中でも比較的体内に蓄積されにくいビタミンです。
通常の食事などで摂取する分については、過剰症の問題はほとんどありませんが、サプリなどでとる場合は注意が必要です。
ビタミンEの過剰症としては、血液が止まりにくくなることが知られています。
サプリメントの形でビタミンEの過剰摂取を長期間継続すると、切り傷や怪我を負った際に血液凝固能が低下する出血リスクや、出血性脳卒中と呼ばれる脳内の重篤な出血リスクを増大させる可能性があります。
また、最近の研究によればビタミンEの過剰摂取が骨量を減らし、骨粗鬆症のリスクを高める可能性があるとされています(豆知識を参照)。
なお、1日400IU(267mg)以上のビタミンEは有害で、1日当たり400IU、α-トコフェロール換算で267mg以上のビタミンEを摂取した場合、総死亡率が10%程度増えるという結果も報告されています。
1日400IU(267mg)といえば、私が飲んでいる1粒よりも少ない量です(汗
ほんまかいな?と思い、色々と調べました。
結論としては、死亡リスクとビタミンEの明確な関連とまで断言できるものではなく、もともと高齢者を対象にしており、持病がある方の率も高かったらしいです。
それらの対象に係る要因が死亡率を高めている可能性を否定できませんし、そもそもその辺りの関係が不明確なので、死亡率が高くなる理由もはっきりしていません。
◆豆知識
ラットにビタミンEを投与すると骨が減少するという実験結果があります。ビタミンEはラットの破骨細胞を巨大化することで骨の吸収を促進すること、ビタミンEの摂取量が多いと骨粗鬆症を引き起こす可能性があることがわかっています。
この実験ではラット一匹当たり、一日10mgのビタミンEを投与しています。ラットの体重は約500gですから、体重50kgの人間では、1日あたり1000mgのビタミンEを摂取することに相応します。
私が飲んでいるDHCの天然ビタミンEは1粒300 mgのサプリですので、1日3個までOKということになります。でも、3日分を1度にとるなんて、もったいないです。
1日1粒が目安なので、私は教えを守ります(笑
なお、海外で販売されているサプリメントの中には1000mgのビタミンEを含有する物もありますので、注意した方が良さそうです。
ビタミンK
◆1日の摂取量の目安と耐容上限量は?(単位:μg/日)
性 別 | 男 性 | 女性 |
---|---|---|
年齢 | 目安量 | 目安量 |
20~29(歳) | 150 | 150 |
30~49(歳) | 150 | 150 |
50~69(歳) | 150 | 150 |
70 以上(歳) | 150 | 150 |
◆とりすぎると、どうなる?
天然のビタミンK1、ビタミンK2についての過剰症は報告されていませんので、耐容上限量も設定されていません。
しかし、合成ビタミン K の一種であるビタミン K3 は溶血性貧血などを起こすため、使用が中止されています 。
もちろん、ビタミンKのサプリメントにK3 は使用されていませんので、問題ありません。
ちなみに、DHCのビタミンKの原材料名には、「ビタミンK2含有食用油脂(大豆を含む)」と記載されており、当然ながらK3 は使用されていません。
ただし、「ワ-ファリン」という薬などを服用している方は、ビタミンKの摂取を制限されることがあります(豆知識参照)。
◆豆知識
血栓を防ぐための「ワ-ファリン」という薬を服用している人の場合、ビタミンKを多く含むブロッコリー、ほうれん草、納豆、クロレラ、青汁」どの食品を摂取すると薬の作用が弱まりますので、ビタミンKの摂取を制限されることがあります。
「ワ-ファリン」は血液を固まりにくくして、血栓ができるのを防ぐ作用があります。血液が固まるには、ビタミンKが必要なのですが、「ワ-ファリン」は、そのビタミンKの働きを妨げることにより、血液を固まりにくくします。
水溶性ビタミン
ビタミンB1
◆1日の摂取量の目安と耐容上限量は?(単位:mg/日)
性 別 | 男 性 | 女性 |
---|---|---|
年齢 | 推奨量 | 推奨量 |
20~29(歳) | 1.4 | 1.1 |
30~49(歳) | 1.4 | 1.1 |
50~69(歳) | 1.3 | 1.0 |
70 以上(歳) | 1.2 | 0.9 |
◆とりすぎると、どうなる?
食事による、ビタミンB1の過剰摂取についての悪影響は報告されていませんので、耐容上限量も設定されていません。
しかし、サプリメントなどで1日10g程度を20日間ほど大量に摂取しますと、頭痛、いらだち、かゆみなどが起きることが報告されています。
しかし、10g=10,000mgです。ほとんどのサプリの目安量は、多くても1日100mg以下ですので、ビタミンB1を1日100粒以上、しかも20日間ほど大量に飲み続ける方は、それこそレアーすぎかも。
ビタミンB2
◆1日の摂取量の目安と耐容上限量は?(単位:mg/日)
性 別 | 男 性 | 女性 |
---|---|---|
年齢 | 推奨量 | 推奨量 |
20~29(歳) | 1.6 | 1.2 |
30~49(歳) | 1.6 | 1.2 |
50~69(歳) | 1.5 | 1.1 |
70 以上(歳) | 1.3 | 1.1 |
◆とりすぎると、どうなる?
水溶性ビタミンであるビタミンB2は、余剰分が尿中に排泄されてしまうことから、とり過ぎによる過剰症の報告はありません。実際に過剰投与を行った研究でも、健康被害は報告されなかったことから、耐容上限量は設定されていません。
まあ、ビタミンB2は黄色を帯びているため、過剰に摂取すると尿が黄色やオレンジに変色するくらいですね。
ナイアシン
◆1日の摂取量の目安と耐容上限量は?(単位:推奨量mgNE/日、耐容上限量mg/日)
性 別 | 男 性 | 女 性 | ||
---|---|---|---|---|
年齢 | 推奨量 | 耐容上限量 | 推奨量 | 耐容上限量 |
20~29(歳) | 15 | 300(80) | 11 | 250(65) |
30~49(歳) | 15 | 350(85) | 12 | 250(65) |
50~69(歳) | 14 | 350(80) | 11 | 250(65) |
70 以上(歳) | 13 | 300(75) | 10 | 250(60) |
推奨量はナイアシン当量(mgNE/日)で示されていますが、 耐容上限量はニコチンアミドおよび( )内はニコチン酸での値です。
◆とりすぎると、どうなる?
1日50mg以上の摂取で、一時的な顔のほてりやチクチク感などの「フラッシュ症状」が起こることがあります。
また、過剰摂取すると、消化不良やひどい下痢などの消化器系の障害や、肝臓の障害などの過剰症がおこることがありますので、食事摂取基準でも耐容上限量が設けられています。
サプリについては1日100 mgのモノもあれば、1日500mgのモノもあります。
1日50mg以上の摂取で、フラッシュが起こることがあるということですが、人により違います。
50mg でもフラッシュが出る人もいれば、500mgでもフラッシュが出ない人もいますので、まずは少量のサプリメントから始めて、フラッシュがなければ増やして行けば良いと思います(豆知識参照)。
◆豆知識
アトピーの私はDHCの「ビタミンBミックス」をまとめ買いしていますが、この中に含まれているナイアシンの1日2粒の分量は合計40mgで、フラッシュが起こる可能性がある1日50mgを下回っています。
ちなみに、「ビタミンBミックス」の2粒に含まれるビタミンB群は、ナイアシン40mg、葉酸200μg、ビオチン50μg、ビタミンB12 20.0μg、パントテン酸40.0mg、ビタミンB1 40.0mg、ビタミンB2 30.0mg、ビタミンB6 30.0mg、イノシトール50mgです。
私は長期間とっていますが、今のところフラッシュは起きていません。
ビタミンB6
◆1日の摂取量の目安と耐容上限量は?(単位:mg/日)
性 別 | 男 性 | 女 性 | ||
---|---|---|---|---|
年齢 | 推奨量 | 耐容上限量 | 推奨量 | 耐容上限量 |
20~29(歳) | 1.4 | 55 | 1.2 | 45 |
30~49(歳) | 1.4 | 60 | 1.2 | 45 |
50~69(歳) | 1.4 | 55 | 1.2 | 45 |
70 以上(歳) | 1.4 | 50 | 1.2 | 40 |
◆とりすぎると、どうなる?
ビタミンB6は水溶性ですが、高用量のビタミンB6を数ヶ月から1年以上にわたってサプリメントなどから摂取すると、感覚神経障害、末梢感覚神経障害などの重度の神経障害が起きたり、筋肉の脆弱、精巣萎縮、精子数の減少などを起こすことが知られています。
また、その他に痛みを伴い外観を損なう皮膚病変、光線過敏症、悪心や胸やけなどもありますので、食事摂取基準でも上限量が設けられています。
◆豆知識
ビタミンB6をはじめとするビタミンB群サプリメントの長期服用で、がんのリスクが上昇するとの報告が時々ありますが、ビタミンB群のサプリと発がんリスクについては、相反する報告が複数あり良いか悪いかの決着はついていません。
まあ、食事摂取基準で上限量が設けられているビタミンについては目安を守った方が無難です。
ビタミンB12
◆1日の摂取量の目安と耐容上限量は?(単位:μg/日)
性 別 | 男 性 | 女性 |
---|---|---|
年齢 | 推奨量 | 推奨量 |
20~29(歳) | 2.4 | 2.4 |
30~49(歳) | 2.4 | 2.4 |
50~69(歳) | 2.4 | 2.4 |
70 以上(歳) | 2.4 | 2.4 |
◆とりすぎると、どうなる?
ビタミンB12は過剰にとっても必要以上には吸収されないことから、過剰に摂取しても、余剰分は吸収されません。そのため、耐容上限量は設定されていません。
また、米国医学研究所(IOM)も、ビタミンB12は有毒となる可能性が低いため、耐容上限量(UL)は設けておらず、「健康な人で、食品やサプリメントから過剰なビタミンB12をした場合の有害事象はみられていない」と明言しています。
葉酸
◆1日の摂取量の目安と耐容上限量は?(単位:μg/日)
性 別 | 男 性 | 女 性 | ||
---|---|---|---|---|
年齢 | 推奨量 | 耐容上限量 | 推奨量 | 耐容上限量 |
20~29(歳) | 240 | 900 | 240 | 900 |
30~49(歳) | 240 | 1,000 | 240 | 1,000 |
50~69(歳) | 240 | 1,000 | 240 | 1,000 |
70 以上(歳) | 240 | 900 | 240 | 900 |
◆とりすぎると、どうなる?
サプリメントで過剰摂取した場合、神経障害、発熱、じんましんなどの過剰症が起きるという報告があります。
また、ビタミンB12が不足している人が、葉酸を過剰に摂取しますと、ビタミンB12欠乏が診断しにくくなり神経障害を悪化させる恐れがあります。
パントテン酸
◆1日の摂取量の目安と耐容上限量は?(単位:mg/日)
性 別 | 男 性 | 女性 |
---|---|---|
年齢 | 目安量 | 目安量 |
20~29(歳) | 5 | 4 |
30~49(歳) | 5 | 4 |
50~69(歳) | 5 | 5 |
70 以上(歳) | 5 | 5 |
◆とりすぎると、どうなる?
パントテン酸の大量摂取による健康被害はほとんど報告されていないため、耐容上限量は設定されていません。
ただし、サプリメントで大量に摂取した場合に、まれに吐き気や食欲不振などが起きるという報告があります。
ビタミンC
◆1日の摂取量の目安と耐容上限量は?(単位:mg/日)
性 別 | 男 性 | 女性 |
---|---|---|
年齢 | 推奨量 | 推奨量 |
20~29(歳) | 100 | 100 |
30~49(歳) | 100 | 100 |
50~69(歳) | 100 | 100 |
70 以上(歳) | 100 | 100 |
◆とりすぎると、どうなる?
ビタミンC は1,500mgほど体内に蓄えられ、それを超えると尿中に排泄されますので、食事摂取基準では、耐容上限量は設定されていません。
ただし、一度に大量摂取すると下痢等の消化器症状を起こす場合があります。これは、消化管内における未吸収のビタミンCの浸透圧に起因します。
とは言うものの、2005年にアメリカ国立衛生研究所(NIH)が「高濃度ビタミンC点滴は、がん細胞のみ選択的に攻撃する」と認めていますし、通常の注射の何倍もの高濃度なビタミンCを、点滴にて体内に注入する超高濃度ビタミンC点滴療法(豆知識参照)でエイジングケアとがん予防の治療をするクリニックもありますので、過剰摂取についてはさほど神経質になる必要はないと思われます。
◆豆知識
あまり聞かない用語ですが、G6PD 異常症(グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症)という遺伝子疾患があります。
この疾患の方は、高濃度のビタミンC点滴をした場合、溶血発作をおこすことがありますので、必ず事前にG6PD活性を確認することが必要です。
まとめ
ビタミンは日常の食生活ではとり過ぎになる心配はほとんどなく、積極的にとりたい栄養素のひとつです。
また、ビタミンサプリメントは食事でとれない分を上手に補ってくれますので、目安を適切に守り十分に活用したいものです。
サプリメントによるビタミンの過剰摂取についても、耐容上限量があるものについては、自己判断せずに、メーカーの推奨する目安を守った方が無難です。
ということで、今回は【ビタミンサプリ過剰摂取量】とりすぎると、どうなる?という記事でした。
※この記事に掲載されている情報については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。