【温泉旅館の人気は時代と共に変化している】
温泉旅館の人気は時代と共に変化しており、人気のある温泉旅館は、その時代の流れにあったスタイルへと姿かたちを変えることで集客力を高めています。石川県の温泉旅館も例外ではありません。
たとえば、1980年代後半の「バブル経済絶頂期」は「社員旅行」や「宴会旅行」などをはじめとする「団体旅行」がピークを迎えるのですが、その時代は、高品質高価格志向が主流で、とにかくお客を受け入れるための大きな器が必要とされ、大型の温泉旅館やホテルが人気でした。
それが、1990年代の「バブル経済崩壊」により、大きく変化します。それまで主流であった「団体旅行」は減少し、友達や家族を単位とした「少人数旅行」や「個人旅行」へと推移しました。
また、「団体旅行」から「個人旅行」へと推移することで、個人客のニーズも多様化し、「非日常感」や、自身の「こだわり」を満たす温泉旅館を選択するようになりました。
具体的に温泉旅館に求めるものとしては、「ゆったりとくつろげること」、「非現実的な空間」、「騒がしい団体客がいない旅館」、「雰囲気が良く静かで落ち着ける旅館」、「他の宿泊客と会いたくない」、「部屋ごとに独立した全棟露天風呂と内湯付きの離れ宿」
「料理を選ぶことができる」、「高級割烹のような手間暇かけた質の高い料理」、「料理は一品一品順番に出してほしい」、「ざわつくお食事処ではなく、部屋食できる旅館」、「今時、居酒屋でも個室があるのだから、食事処も個室の設置は必須」
「大きな露天風呂は必須」、「二人でゆったり入れる部屋風呂」、「部屋に露天風呂がついている」、「チェックインやチェックアウトの時間を選ぶことができる」、「Wi-Fi環境が整備されている」など多岐にわたっています。
まあ、このブログのテーマのように、穏やかな気分でのんびり豊かな時間を楽しみたいということですね。逆に、宴会客主体の騒々しい旧態依然とした宿は、今の時代では論外となっており、そういう宿は、今後もどんどん客が遠ざかっていくでしょう。
そして、今では、これら日本人への「こだわり」ニーズ対応だけではなく、「インバウンド対応」など、新しい時代の変化が起きています。
「インバウンド」というのは、「日本を訪れる海外からの観光客」を指します。そして、このインバウンド消費が、今後、石川県の温泉旅館経営に大きな影響を与えるだろうと言われています。北陸新幹線の開通で海外から石川県への観光客が増加していますが、2020年の東京オリンピックを機に、さらに拍車がかかりそうです。
【プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選】
「プロが選ぶ」と聞くと、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で36年連続「総合第1位」に選ばれた和倉温泉の老舗旅館「加賀屋」をイメージする方が多いのではないでしょうか。
「加賀屋」が日本一の温泉旅館として圧倒的な高評価を受けているせいか、「加賀屋」以外で、プロが選ぶ温泉旅館!とアピールしている「石川県の温泉旅館」をテレビなどで見たことがありません。でも、「ベスト100位」に石川県のどこの温泉旅館が入っているか、気になりませんか?
そこで、今回は「加賀屋」本体以外の、プロが選ぶ「石川県の温泉旅館」をみていきます。なお、加賀屋の姉妹館である「茶寮の宿あえの風」などは対象とします。
ところで、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」は誰がどのような基準で決めているのでしょうか?
主催者の(株)旅行新聞新社によれば、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」は、全国の旅行会社(本社主要部門、営業本部、支店、営業所を含む)1万6095カ所に投票用紙(専用ハガキ)を配布。
投票期間中に「もてなし」、「料理」、「施設」、「企画」の各部門で優れていると思われる旅館・ホテルを推薦してもらい、後援団体の全国旅行業協会(ANTA)や日本旅行業協会(JATA)、旅行雑誌編集者らで構成される選考審査委員会で100選を決定するとのことです。
実施回数は既に第44回となっており、旅行者のための信頼できるガイドブックというかバイブルとしての100選でもあります。
環境省の「平成29年度温泉利用状況」によれば、全国の温泉地数が2,983、全国の宿泊施設数が12,860となっていますので、それだけ多くの中での「ベスト100位」ですから、かなり高い水準の実力がある温泉旅館といえます。
この100選を基準に宿泊先を決めれば、満足度は間違いなく高いと思われます。
【プロが選ぶ石川県の温泉旅館「総合」評価100選】
まず、第44回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の「総合」ベスト100位を確認すると、第14位に「ゆのくに天祥(てんしょう)」(山代温泉)、第18位に「瑠璃光(るりこう)」(山代温泉)、第40位に「茶寮の宿あえの風」(和倉温泉)、第47位に「日本の宿 のと楽(のとらく)」(和倉温泉)、第74位に「たちばな四季亭」(山代温泉)が入っています。
「総合」での「ベスト100位」は、「もてなし」、「料理」、「施設」、「企画」の各部門で優れていなければランキングには入れませんので、間違いなく総合的に、かなり高い水準の温泉旅館といえます。
【プロが選ぶ石川県の温泉旅館「もてなし」評価100選】
第44回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の「もてなし部門」ベスト100位を確認すると、第22位に「ゆのくに天祥(てんしょう)」(山代温泉)、第24位に「瑠璃光(るりこう)」(山代温泉)、第40位に「お花見久兵衛」(山中温泉)、第42位に「たちばな四季亭」(山代温泉)、第96位に「まつさき」(辰口温泉)が入っています。
【プロが選ぶ石川県の温泉旅館「料理」評価100選】
第44回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の「料理」ベスト100位を確認すると、第33位に「ゆのくに天祥(てんしょう)」(山代温泉)、第38位に「瑠璃光(るりこう)」(山代温泉)、第47位に「ゆけむりの宿 美湾荘(びわんそう)」(和倉温泉)、第48位に「厨八十八(くりややそはち)」(山中温泉)、第72 位に「宿守屋 寿苑(やどもりや じゅえん)」(和倉温泉)が入っています。
【プロが選ぶ石川県の温泉旅館「施設」評価100選】
第44回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の「施設」ベスト100位を確認すると、第13位に「ゆのくに天祥(てんしょう)」(山代温泉)、第17位に「瑠璃光(るりこう)」(山代温泉)、第27位に「茶寮の宿あえの風」(和倉温泉)、第44位に「日本の宿 のと楽(のとらく)」(和倉温泉)、第71位に「湯の宿 白山菖蒲亭(ゆのやど はくさんしょうぶてい)」(山代温泉)、第100位に「海游 能登の庄(かいゆう のとのしょう)」(能登ねぶた温泉)が入っています。
【プロが選ぶ石川県の温泉旅館「企画」評価100選】
第44回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の「企画」ベスト100位を確認すると、第7位に「ゆのくに天祥(てんしょう)」(山代温泉)、第81位に「加賀屋別邸 松乃碧(まつのみどり)」(和倉温泉)、第95位に「多田屋(ただや)」(和倉温泉)が入っています。
【温泉旅館ごとに情報をまとめてみました】
温泉旅館ごとに、第44回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の各部門の順位と、一口情報、大手旅行代理店による基本情報、宿泊プランなどを確認できるようにしてあります。
この記事は「プロが選ぶ石川県の温泉旅館の人気と実力」ですので、旅行のプロが考え抜いた基本情報や宿泊プランなどを確認することで、100選に入った理由がわかるような気がします。
この記事を書きながら旅行代理店サイトをチェックしていると、今年はどこの旅館にしようか本当に迷います。
総合14位、もてなし22位、料理33位、施設13位、企画7位
総合評価で北陸エリア2位。自家源泉と引湯源泉2つの天然温泉で「一泊三湯十八ゆめぐり」の温泉三昧が自慢の宿です。露天風呂付客室はもちろん、展望温泉露天風呂付客室や庭園温泉露天風呂付客室などの贅沢な客室も用意されています。
■基本情報、宿泊プランなどは以下の旅行代理店で確認して下さい。
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→ JTB
総合18位、もてなし24位、料理38位、施設17位
総合評価で北陸エリア3位。開放的な大浴場の他に5箇所の貸切露天風呂があり、館内に居ながら湯めぐりもできます。また、露天風呂とツインベッド備えたエグゼクティブ客室もあり、洗練と優雅、寛ぎのひとときを過ごせます。
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総合40位、施設27位
客室のほとんどが海に面しており、雄大な七尾湾の眺望を楽しめます。また、加賀屋グループの旅館、加賀屋の姉妹館ということもあり、お風呂や料理はもちろん、料金以上のおもてなしが期待できます。
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総合47位、施設44位
15階に趣が異なる3つの貸切展望露天風呂があり、のんびり湯船に浸かりながら七尾湾の絶景とプライベートな温泉入浴を楽しめます。加能蟹や能登ふぐ、ノドグロ・寒ブリ、能登牛などの海の幸や山の幸の“まいもん尽くし”を堪能できます。
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総合74位、もてなし42位
源泉かけ流しの宿で、おしゃれ浴衣や露天風呂付客室で鮑や蟹が楽しめる料亭旅館です。橋立港の旬の海の幸と上質な能登牛、新鮮な加賀野菜と素材に恵まれた加賀の懐石料理を最上級のおもてなしで味わうことができます。
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もてなし40位
露天風呂付客室やカップルプランが人気の温泉旅館です。六庄庵という露天風呂付き温泉スイートルームは、TVや雑誌の取材が絶えない人気の客室になっています。山中温泉で特別な思い出を作りたい方におすすめの宿です。
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もてなし96位
金沢の観光地から近い温泉の一つで、新館は全室源泉露天風呂・内風呂付の広い客室になっています。新館と本館で厨房を持ち、地場食材でつくる懐石料理が評判の老舗旅館です。特に冬場の橋立港産のタグ付活加能ガニ懐石が人気です。
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料理47位
200年以上の伝統を誇り、与謝野鉄幹、晶子夫妻などの文人も訪れた和倉温泉で最も歴史ある宿です。豊富な源泉は大浴場や海に面した露天風呂、露天風呂付客室で満喫できます。もちろん、料理は評価どおり美味で、旬の海の幸などをたっぷり堪能できます。
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料理48位
田園テラスの宿で、「厨(くりや)」は料理をする所を意味し、「八十八」は米の文字からとっています。渾身を込めた料理でお客様に質の高いご満足を提供致したいというスタンスの宿で、米づくりから始め、料理にもこだわりをもっています。
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料理72 位
全客室がオーシャンビューで、波穏やかな和倉の海を楽しめます。能登の里山里海がもたらす四季折々の「旬の素材」を用い、能登ならではのこだわりを持った料理を堪能することができます。
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施設71位
全て平成の建物で、露天風呂付客室が20室あります。お風呂は加温・加水なしの天然100%の温泉です。日本海の新鮮な幸を豊富に使った四季折々の白山会席グルメ料理を楽しむことができます。
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施設100位
高級食材を使用し手の込んだ料理と日本唯一の奇跡の湯が堪能できます。なぜ、能登の庄が「日本唯一」なのかというと、PH10.5のアルカリ温泉というのは全国的にも稀で、その泉質は、日本で五指に入ると言われています。
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企画81位
旅館のテーマは、「本物の日本と大人のお二人」となっています。「ミシュランガイド富山・石川(金沢)2016特別版」の旅館部門では、赤色旅館マーク4つの「最上級の快適」の中でも特に快適!という高評価をされています。
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企画95位
創業は明治18年で、鍋島藩最後の藩主・鍋島直虎の長女が女将を務めた歴史ある宿です。温泉街から少し離れた閑静な隠れ宿で、24時間釣りができるプライベート桟橋がある旅館としても有名です。
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やはり、100選入りは石川県の温泉の人気を二分する和倉温泉と山代温泉の旅館が多いですね。今後この順位がどうなっていくのか気になりますが、より多くの石川県の温泉旅館が選ばれることを期待しています。
この記事をご覧になられていらっしゃる皆様、ぜひ石川県の温泉旅館でのんびり穏やかな時間をお楽しみください。
※この記事に掲載されている情報については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。