温泉旅館の「浴衣(ゆかた)」は、祭りなどで着る浴衣と違って、温泉旅館でゆったりとくつろぐためのものです。寝巻きといえば寝巻きですし、部屋着といえば部屋着です。
そうはいうものの、温泉旅館内の温泉や食事処には浴衣を着ていきますので、だらしない格好だと目立ってしまいます。ましてや、「左前」で行けば大恥ものです。
友達、恋人、親戚など自分以外の方と宿泊するときに、恥をかかないためにも、浴衣の基本的な着方や帯の結び方などはマスターしておきたいところです。
ぜひ、あなたもマスターして、のんびり穏やかな時間を楽しんでください。
温泉旅館の浴衣はどう着るの?
温泉旅館で用意されている浴衣のサイズは、S、M、Lもしくは大・中・小などが一般的ですが、くるぶしが少し見える程度のサイズを選ぶのがポイントです。
部屋に浴衣が備え付けられている宿では、大きすぎたり、小さすぎたりとサイズが合わない場合がありますので、そういう場合はとり替えてもらった方が良いです。
特に、体格の良い男性は、LL位までのサイズなら用意している温泉旅館もありますので、確認してみたらいかがでしょうか。
体に合ったサイズを選ぶことで、着崩れを防ぎ綺麗に着こなすことができます。
温泉旅館の浴衣では、女性であっても「おはしょり」を作らないのが一般的ですが、女性で浴衣の丈が長すぎる場合は、腰の部分の「おはしょり」で長さを調節すれば良いです。
「おはしょり」というのは、浴衣を着るときに裾をくるぶしの高さに合わせて前を合わせて、余った部分を腰の上で揚げ折り整えて、腰紐で縛ってとめることをいいます。
高級温泉旅館では腰紐を用意しているところも多いのですが、無いところもあるので、My腰紐を持参すると便利です。
腰紐がないときは、数回ならばストッキングでも代用品になります。伸びると使えなくなりますので、あくまで臨時的なものです。これなら、腰紐を忘れても、コンビニで購入できるので便利です。
温泉旅館の浴衣を着ようとして、「左右のどちらを上に重ねるのが正しい着方?」と「前合わせ」を迷われたことはありませんか?
浴衣を着るときに間違いやすいのが、左右どちらの襟を「前」にするかということですが、和服の襟は男女共通で、「右前(みぎまえ)」になっています。
「右前」というと、左側の襟の上に右側の襟を重ねるイメージをもつ人が多いのですが、それは間違いです。
ちょっとややこしいのですが、「右前」というのは着付けの際に使われる用語で、ここでの「前」は時間的に前=「先」という意味です。
ですから、「右前」は「右前」→「右」が「先」→「右」の手で持っている方を「先」に着付ける、ということになりますので、「浴衣は右側の襟の上に左側の襟を重ねる」が正解です。単純に、「前」とは「手前」のことだと覚えておけばいいかもしれません。
着る人から見ると左側の方が上に重なっているのに、「右前」というのはでややこしいです。
特に女性の場合、ブラウス、コートなどの洋服のボタンが左側についており、いつもは右側を上に重ねて着るので余計に混乱しがちです。
なお、「左前」は死人にする着付けになり、縁起が悪いとされていますので、逆にならないよう、くれぐれもご注意ください。
しっかり合わせると、浴衣全体のよれやしわが整えられ綺麗になりますが、ずれると、両袖の長さが均等になりません。
次に、背筋をピンとして、衿の端を持ち、右側を左の腰に持っていきます。背中が曲がっていると、腹周りの生地がたるみます。
ポイントは胸元の開き具合を調節しながら襟を重ね合わせることです。襟を詰めすぎたり、開きすぎたりせずに、下着が見えないように調整します。理想は鎖骨が少し見えるくらい重ね合わせです。
温泉旅館の浴衣の帯はどう結ぶの?
簡単で可愛い帯の結び方ですので、女性の方におすすめです。蝶々を作る部分は右前あたりにするとほどけたときにも対処しやすいです。音量注意 【注1】
女性におすすめの基本的な「リボン結び」を少し工夫した可愛い結び方です。恋人や女子会などの旅行におすすめ。温泉の浴衣の帯は幅が通常の半幅帯より短く生地も柔らかいのですが、丁寧に結べばそれなりに可愛く仕上がります。音量注意 【注1】
ちょっと粋に温泉旅館の浴衣を着こなしたい!という男性向けで、お祭りから普段使いまで、オールマイティーに活躍しますので、この機会にぜひマスターして下さい。シンプルなフォルムなので、ぱりっとした清潔な感じに仕上がります。音量注意 【注1】
用語の説明
体に巻き始める方の数十センチを「手(て)」といいます。胴に二巻きした後の、結びの形を作るところを「たれ」といいます。手の先の方を「手先」、たれの先の方は「たれ先」といいます。その中間の部分は「胴帯または胴」といいます。
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